アサ その2 ページ12
「ならそんな偉そうに人の好き嫌いに関して言っちゃダメですよ。」
「あーハイハイ。分かった分かった。」
「絶対分かってないでしょ。」
「あんもう、うっせぇな!わかってまーす、分かってるって!大体、お前はニンジン食えねぇだろうが!」
「ぐっ、、、あ、あれはっ、あれだけは、ダメなんです!あのオレンジ色を見ただけで吐き気がこみ上げてくるんです!」
「はん、お前も大概人のこと言えねぇなぁ、ゆーめーかーっ!」
「なにをっ!」
「こんにゃろっ!」
ガーガー。
ギャーギャー。
あれ?!いつの間にか喧嘩始まってる?!
少年は慌てた。
喧嘩の仲裁なんてしたことが無い。
どうしようか迷ったが、とりあえず声をかけてみることにした。
「あの、ナズナ、さん?」
少年はおずおずと話しかけた。
しかし。
「ユメカのバーカ、アーホ!」
ナズナはケンカに夢中だった。
「ナズナさん、」
少年はさっきより少し強めに名前を読んで見た。が、
「ニンジンが嫌いなんて、3歳レベルなんだよ」
「ナスが嫌いなんて、あんた一体何歳なんですか!」
意味はなかった。
少年は大きく息を吸い込み、叫んだ。
「ナズナさんってば!」
「うわっ!!」
「さっきからずっと呼んでるのに。」
「ごめんごめん。しかし、少年。なぜ私の名を知っているんだい?あたしはまだ名乗っていないのに!」
マントを羽織った方の少女は驚き、銀髪の少女の発した「バーカ」という言葉に反論するのも忘れて、少年の方を向く。
「だって、さっき、ユメカさん?からナズナ様、って呼ばれてたから、名前なのかなって。」
「え?呼ばれたっけ?いつ?」
「さっき私が呼んだじゃあないですか。あんたも人のこと言えませんよ、って私が言った時。」
少しツンとした様子で銀髪の少女は答えた。
「あぁ!あん時か!」
「そうです、あん時ですよ。」
「なーんだ、びっくりした!私が無意識の間に自己紹介したのか、それか少年がテレパシーを使って私の脳内を見たのかと!」
「んなわけないでしょーが。」
銀髪の少女は少し呆れつつ、言葉を返した。
「そっか、それなら私の名前を知っているのもおかしくはないな!そうかそうか!」
「う、うん。」
ケンカはどこへやら、マントを羽織った少女は笑った。楽しそうに。
「んじゃまー、この際、自己紹介といこうか。」
マントを羽織った少女は言った。
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ねこまん - 黒崎暁月さん!コメントありがとうございます!面白いだなんて、嬉しいお言葉ありがとうございます(≧∇≦)ねこまん、張り切っちゃいます! (2015年3月25日 23時) (レス) id: 550c0e3dcf (このIDを非表示/違反報告)
黒崎暁月 - 初めまして。とても面白いです。更新、楽しみに待ってます! (2015年3月25日 13時) (レス) id: cdb8464570 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまん - 240ヒット超え、ありがとうございます!これからもゆっくり、まったり更新ですが、よろしくお願いします! (2015年3月24日 20時) (レス) id: 550c0e3dcf (このIDを非表示/違反報告)
ねこまん - 和泉さん!コメントありがとうございます!えっと私はボカロ大好きですが、その曲は知らないです。実は、題名は深く考えずにつけました(笑)。応援、ありがとうございます! (2015年3月24日 20時) (レス) id: 550c0e3dcf (このIDを非表示/違反報告)
和泉(プロフ) - 題名ってもしかしてボーカロイドは終末鳥の夢を見るか?を参考にしていますか?違ったらごめんなさい。応援してます! (2015年3月24日 12時) (レス) id: e59f723bb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこまん x他1人 | 作成日時:2015年3月8日 21時