▶ひみつにする ページ11
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▶チリ してん に きりかわった!
ああ、こらあかん。
路地裏覗いて一目で初めにその感想。ちっちゃい子座り込まして、ネクタイ解いて。なんやねん、こいつら。
セルクルタウンなんてほんまに平和なとこやん。やるなら他所でやれや。しかもなんでよりによって学生なん。学生ちゃうくてもあかんけど。
言いたいことはいくらでも。ただそれより先に、Aちゃん助けたらなあかんかったから、ドオー出して脅してやった。ポケモン勝負でもあらへんのに技なんか使うわけないやん、ほんまにドアホ。
都合のいいことに、どっかに捌けてったそいつら。あとでトップに報告したろ。
ぽかん、としたまま動かないその子。ほーん、こら確かに可愛ええ子。解けたネクタイは地面に雑に放られていた。なんやアイツら無限に腹立つわ。
「怖がらして堪忍な、怪我してへん?」
つとめて優しく。さっきのやつらと同じようだとは思われたくない。屈みこんで、ふわふわな茶髪を撫でてやれば、淡く瞳が揺れていた。そら怖かったに決まっとるやんな。
解かれたネクタイをしっかり襟下に通して結んでやる。ってかこの子、最初っからちょい着崩しとったやろ、シャツに型ついてもうとるし。
「もうすこし早よ助けたったらよかった、ほんまに堪忍な」
あん時立ち止まって見とらんで、はよ助けたったらよかったんや、今更の後悔だと、立ち上がらせて謝れば、その子はチリちゃん見上げてふわりと笑う。
『あ、ありがとうございます、』
なんや、調子狂う子やな。チリちゃんに負けず劣らず白い肌、チルタリスに負けず劣らずふわふわな髪。男やったら確かに瞬殺か、こんなん。
立ち上がらせたときに繋いだ手のまんま、路地裏を出て明るいとこまで戻ってくれば、あ!なんて元気な声がした。
「っぇ、」
『あ、アオイちゃん、っ』
ふわっとほどかれた手。ちょい名残惜しく思うのは、何なんやろな。慌てたようにアオイちゃんとやらに近寄って、無事でよかったと笑う。いやそれアオイちゃんのセリフやん。
「(なんっっで最推しと推しが手繋いでんだ、は???尊っ、殺す気なん?!?!!まってなに!?ありがとう!?!)
先輩、どこにいたんですかぁ」
『ご、ごめんね、』
「お友達?なら、ほら、ちゃあんと、手ぇ繋いどかなあかんで。」
アオイちゃんとやらの手を取り、Aちゃんの手を取らせる。
「可愛ええ子はすーぐ
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