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「アオイたちの前歩いてるポケモンなに!?強そう!アオイたちのこと気にしてる?ついて来いって言ってるのかなー?」
やっぱりそうなんや。その間も謎ポケモンは行く手を阻む岩を打ち砕き、先導して歩き始める。岩を破壊した威力に生徒会長サマは大興奮だ。
と、しばらく進むと開けた場所に出て、奥からデルビルが何匹かいっせいに走ってきた。わあかわいい〜なんて言ってる場合ではない。
またまた謎ポケモンがいかくで追い払った。おいこいつ実はイケメンなんか??
「す、すごいね」
『う、うん』
「この洞くつ、暴れん坊のデルビルたちが生息してるんだ!ボディーガードがいて安心だけど、強いのもいるから気をつけて!」
暴れん坊ってちょっぴりかわいいな。アオイちゃんがわたしの手を繋いでくれてるからだいぶまあ歩けてはいるが、これひとりだったらやばかったな。
と、突然謎ポケモンがぴたりと動きをとめた。
「アオイ!A!気をつけて!何か来てるよ……!」
後ろに強い気配を感じ、思わず振り返ってしまう。トラブルメーカーな幼女の第六感はよく働くのだ。
「後ろ、後ろー!」
ネモさんが叫び、ようやくアオイちゃんも振り返った。そこには、なんかまじで強そうなやつが1体、のそのそ歩いてきていた。
『へ、ヘルガー…』
金銀ではお世話になりました。とか言ってる場合ではない。アオイちゃんはホゲータを、わたしはコリンクを出さざるを得なくなってしまう。
『こ、コリンク!もどって…!』
「ホゲータ!!まだ無理だよ!!」
無理に決まってる。レベル差見てみろ。35だぞ?あと35レベル上がったらホゲータもコリンクも進化しちまうぞ。
案の定、怯えきったポケモンたちは自分からボールに戻って来てしまった。いやうんそれでいい。
八方塞がり。さあどうしよう、と考えていると、謎ポケモンがぴょんと飛んでわたしたちとヘルガーの間に割って入る。
が、ヘルガーも負けじと手下共を呼び、わたしたちはあっという間に囲まれてしまった。おい卑怯すぎるって。
『……アオイちゃ、』
アオイちゃんはわたしを引き寄せて、柔らかく抱きしめて、大丈夫、と。でもそれはわたしにじゃなくて、たぶんきっと自分に言い聞かせているのだと思う。
あとからあとから増えていくデルビルたち。高みの見物のヘルガー。まずいな、と思った次の瞬間、
謎ポケモンに持ち上げられていた。
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ううぴょり - アオイちゃんの説明文にサンドウィッチの上パンについて書かれていて声出して笑いました…(時間を考えろ)陰ながら応援させていただきます! (12月30日 2時) (レス) @page1 id: 9084d4f4e7 (このIDを非表示/違反報告)
鍵ポスト - 文才の高さが伺える文の作りが凄く好きです…。やっぱり幼女はかわいいですね……。更新頑張ってください…!応援してます…! (12月29日 0時) (レス) id: 99494c38e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らて | 作成日時:2023年12月27日 17時