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朝。朝食を取りに食堂へ向かうのに、私はやたらと重くなる足を無理に動かす羽目になっていた。


あぁ、もう嫌だな。行きたくない。


頭ではそう思うのだが、残念ながら身体は納得してくれないらしく、きちんとした空腹感がある。これさえ無ければ、朝から憂鬱な思いをせずに済むのに。


どうして雷獣は何も食べなくても生きていける種じゃないんだろう。


どうしようもないことを考えながら食堂のドアを開けると、大勢の隊士たちが並んで食事を取っているいつもの光景が目に入る。

何となくそれを見ていた目は、いつの間にか某人物へと向いていた。


あぁもう、何見てんだ私。


慌てて目を逸らして食事を頼み、空いている席へと座って箸を手に取った。

そこでまた、某人物をチラ見してしまう。


……やっぱり、動く気配全然無いな。


今日も今日とてポーカーフェイスのドS野郎は、何食わぬ顔で淡々と食事を取っている。

ちょっと前までなら、一番隙の多いここで首輪をさりげなく付けようとかしてきていたのだが、最近は全く嫌がらせされない。

それだけならまだしも、お互いどこか遠慮しているような空気だだ漏れの、何とも言えない微妙な関係になってしまったのが現状だった。


すれ違っても言い合いなんてしない。

キレ合ったりすることもない。


ただ互いに気まずく視線を交わして逸らすだけの生活は、ここに来て初めてのもので、十分うるさい筈の屯所の騒ぎも、何だか他人事のようだった。


静かで、ただ淡々と時間だけが流れていく。

それはとてもつまらなくて、寂しいとさえ思えた。


こんな事になるくらいなら、嫌がらせされてた時の方がよっぽど楽しかった。


「……ついにこんなのまで考え出すとは……」


ズゥゥンと音がしそうなくらいに暗くなりながら溜息を吐く。


「……病気かなぁ……」

「えっ、Aちゃん病気なの!?」

「違います黙っててください」

「えっ、何Aちゃんが病気に!?」


低い声で制すも遅く、その勘違いを聞きつけた隊士たちが勝手に騒ぎ始め、「医者呼べ」とか「Aちゃんが吐きそうだと!」という声が飛び交い始めた。


っていうか吐きそうとか誰も言ってないし。伝言ゲームも普通こんなに早く間違ったりしないのになんでだよ。


かと言って大声で否定する気力も無く、また溜息が零れた。


こういうのを無気力っていうのかな……。

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伽那 - 一言で言うとこれめっちゃ好き (2019年11月26日 22時) (レス) id: dad38348f0 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 沖田総悟さん» ありがとうございます!!もう!受験早く終われ!!!(泣)じわじわ更新ですが頑張ります! (2018年1月5日 8時) (レス) id: 3282eb2821 (このIDを非表示/違反報告)
沖田総悟 - とっても面白かったです!!キュンキュンもするし、見ながら泣きました‥。更新がんばってください!そして、受験ガンバってくださいね!!応援してます!! (2018年1月4日 19時) (レス) id: b86e1fcd7d (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - にんじん  さん» あぁありがとうございます!!(泣)あと9日なんですよねー……ハハ。頑張ります! (2018年1月4日 14時) (レス) id: e79ecf6629 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん   - 受験頑張ってください!応援してます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年9月29日 20時

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