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手当てが終わり、ドS隊長も追い出してから、私は先日乾燥させた薬草を粉末状にしていた。


「全くあのドS性悪気違い隊長、どうかしてんじゃないの?」


使ったナイフを壁に付けたお手製沖田人形に投げつける。


よし、命中。


「本っ当気に食わないっ……」


勿論最初からこんなに嫌っていた訳ではない。ちゃんと理由があるのだ。

向こうが嫌がらせやらムカつくこと言ってくるから嫌いになったのだ。


「Aちゃん、眉間にシワが寄ってるよ」


その声に振り向けば、そこには、


「近藤さん」


…左頬をパンパンに腫れさせた我らが局長が立っていた。


「ま〜たお妙さんの所ですか」


懲りませんねえ、と言うと近藤さんは豪快に笑った。


「恋は押してナンボだよAちゃん!それにちょぉっと愛情表現が過激なだけだよ、お妙さんは!」

「素晴ラシイ前向キナ受ケ取リ方デスネ。」

「待って何でそんな棒読みでさりげなく距離取るの!?」

「あははは、冗談です、座って下さい」


湿布薬を手に取りながら私が座布団を勧めると、近藤さんは大人しく座った。

ゴリラみたいな顔してるけど、この人は良い人だ。何だかんだ言って、私はこの人の恋路を応援している。


・・・ストーカーは頂けないけど。


「また総悟と何かあったのか?」

「いつもの言い合いです」


短く返すと近藤さんは苦笑する。


「アイツも何かとAちゃんに突っ掛かるなぁ。ま、嫌いにならんでやってくれ」

「………」


大きな掌で頭を撫でられては、何も言えずに頷くしかない。

……けど。



「近藤さん。


――チャック、開いてますよ?」


「えっ!?」



頷いた際に目に入ったズボンのそれを正直に告白すると、近藤さんは女子みたいな悲鳴をあげた。


「い、いつからっ!?もしかして今日お妙さんに変態と連呼され危うく男の象徴を抹消されそうになったのはッ……!」

「殺されかけてますけど?完全に殺されかけてますよね?それでも愛情表現と考えるんですか?」


心広すぎか。…いや、ただの馬鹿か。


恥ずかしさで浅黒い顔を真っ赤に染め上げ顔を覆う恩人に、とんでもなく失礼な事を考えるのはまあ良いとして。


沖田隊長を嫌いになるなと言われても、まず私達の仲が悪いのはこの人が原因だからなぁ。


「恥ずかしい……。もうお嫁に行けない……」

「いや、お嫁じゃなくてお婿でしょう」


ソッチ系に目覚めるつもりかこの人は。

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茸筍 - でも、カッコいいわ (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
茸筍 - 吉沢亮に血染めの犬の餌投げつけるかw w w (2021年7月11日 21時) (レス) id: ca7cb48629 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - さわさん» そこまで喜んでいただけて嬉しいです!(*^▽^*)続編も頑張ります!! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)
さわ - やったァァァァァ!!w続編なんてすっっっごく嬉しいです(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!楽しみに更新待ってますね!(*´ω`*) (2017年5月29日 22時) (レス) id: e6f444c96b (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - mokamoiさん» い、いちばんですか!?(゜ロ゜;ノ)ノそんな、とても恐れ多い誉め言葉を頂けるなんて光栄です・・・!ありがとうございます!頑張ります! (2017年5月29日 5時) (レス) id: 9126ee9e9d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2017年5月12日 2時

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