はんぺんふわふわ 番外編

夜に最高のプレゼント ページ5

「それじゃあ、お休みなさい。」

「ありがとうございました。」






ホテルに着き、スタッフ一同に礼を言って自分の部屋に向かう。





「これで、終わり…か。」


とても幸せな日だったはずだ。

こんなにたくさんの人に祝ってもらえて、自分が昨年よりも大きくなれたと実感して幸せじゃないはずはない。


なのに、物足りないと思うのは




「…あいつのせいだ。」

『誰のせいですって？』


…え？






俺の部屋の扉の前には、あいつが立っていた。




なんで、いるんだ。

ここ、広島だぞ？



『ライブ、お疲れさまでした。とてもよかったですよ。』


「は、…え？」




『見てましたよ。ファンの目線で、あなたにも気づかれない距離に。最近一気に近い人になっちゃいましたからね。初心にかえってと言いましょうか。』


見てたのか…。

俺を見ててほしかった人は見てくれていたのか。




『部屋、入れてください。寒いです。』

少し笑いながら言う君は少し顔が赤かった。



ただ、寒いだけなのか、それとも。

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