第九十三話 ページ7
「ん!?」
ねこみゅが声を荒げ、顔をゆがめる。
ここにいる全員、完全にねこみゅの勝利だと確信した。
しかし、勇本先生は完全に勝利の笑みを浮かべていた。
「くそッ」
ねこみゅが顔をゆがめたまま、勇本先生の首を切るべく、大鎌を引っ張った。
しかし。
「なッ…」
「残念だったね」
その場にいた全員が凍り付いた。
その声は完全に、殺し屋の声だった。
低く響き、まるでお腹の底の方を直接叩かれているような。
「うわッ!?」
ねこみゅが引っ張った大鎌の刃を止めるように、勇本先生は刃を持った。
それも片手で。
ねこみゅがどうにか鎌を動かそうとするが、勇本先生は顔色を変えずに刃を持ち続ける。
ねこみゅが反動をつけて刃を引っ張ろうとしたとき、その前に勇本先生が刃を引っ張った。
もの凄い力で引っ張られたのか、ねこみゅが完全に体制を崩した。
「くッ・・・」
悔しそうに声を出すねこみゅ。
首元には、あの鈍く光る勇本先生のナイフが突きつけられていた。
「さて、次。孤高の狼くんだね?」
「は、はい・・・」
ねこみゅとの戦いを見て、完全に全員が怖気づいている。
これは・・・ヤバイ。
_____
勇本先生がナイフを構え、孤高の狼が矢を構える。
ググっと、力いっぱいに矢を引き付けてから、思い一発をまずは放つ。
それに反応して、勇本先生はナイフを投げた。見事に矢に当たり、矢もナイフも勢力を失う。
孤高の狼はそれを確認せずとも、次の矢を放つ。孤高の狼は、矢と矢の感覚が短い。どんどんとスピードが落ちることなく矢を放つのだ。
時々矢を剣のように扱いながら、ナイフをよけていく。
勇本先生は一矢ごとに、一歩一歩と前に進み、孤高の狼を追い詰めていく。
クルクルと回りながら戦っているのに疑問を抱き、ハッと地面を見る。
「孤高の狼、下!」
「ッ!?」
サッと地面を確認し、孤高の狼は目を見開いた。
再び視点が勇本先生に戻る。
「さて、どうする?」
本領発揮できた勇本先生は、喜びのせいか、いつもとは少し違った風に笑っていた。
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