百十話 ページ25
さて、始まりました！進級試験です！
いやぁ、教室の空気が朝からめちゃくちゃ重い！まぁ、俺は？合格してるし？ｗｗ
･･･こういうことばかり言うと狼とか頭いいひとに怒られちゃうから黙りまっす。
試験内容はいちおー、いちおう、一応ね？発表されたんだけど･･･。
『試験内容は戦うこと、以上だ』
というなんともおそろしい言葉だけ残して先生は立ち去って･･･しまいました。
なんとか頑張ってほしいですね･･･。いやぁ。俺は応援しかできないのでねぇ。
おそらく、また体育館に集められてゲーム内でどんちゃんしてわちゃわちゃして、どーのこーので、あーだこーだで･･･って戦うんでしょうねぇ。
「おーい、君たち！そろそろ移動、してね」
いつも通りのニコニコ笑顔で教室に顔を出す。他のメンバーがあちこちの筋肉痛に顔をゆがめながら立ち上がる。
「先生、移動って体育館ですか？」
「あぁ、今回は違うんだ。悪いけどグラウンドに出てもらえるかい？」
「ぐ、グラウンド･･･？」
全員が顔を見合わせ、表情が固まるのが分かる。
そう、つまりは･･･あの、先生たちと、り、リアルで戦うっていうことだぁぁぁぁ！！！
やばいよぉ？あれ？でもまぁ俺もできたし、皆ワンチャンあるんでは･･･。って無理か。俺のなんて運ゲーだもんなぁ。
これは･･･皆のごぶぶんをおいのりいたします･･･。(ご武運です)
＿＿＿
さぁ、グラウンドに移りまして、実況も変更しました、パッツンです。
「さて、なんとなく察してると思うけど、実戦を感じてもらうためにも進級試験は、ここで、帰野先生と戦ってもらおうと、思います」
「こいつは判定だ。もし不正、もしくは命の危険がありそうな場合は止めに入る」
「そういうことで、じゃあまずはＡ組から行きたいんだけど･･･」
そう言われた瞬間にＡ組全員の顔がこわばる。普段無表情のつり目オネエでさえ、そのこわばりようが手に取るようにわかる。
顔を見合わせ、ざわつく私たちに勇本先生はわかっていたと言わんばかりに笑みを浮かべ、安心したまえ、と言った。
「そうなるだろうと思ってね。今まで実力順だの言っていたが、ここは普通科の高校みたいなことをしてみようじゃないか」
勇本先生のセリフに全員不思議そうな顔をする。
「五十音順でいこう」
そう言われた瞬間、つり目オネエが膝から崩れ落ちた。
あ、そうか。『あ』かばねりんき、か。
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