第百三話 ページ18
「おし、じゃあ来いよ、頭爆発野郎」
「ッち、それ、普通の学校だったら訴えられてますけど？」
「普通の学校だったら、教師やれてねぇよ」
「は、もっともだ」
余裕そうな会話を交わし、バンバーマンが剣を構える。それを見て、バットを構えた帰野先生の目が余計に鋭くなった気がした。
ボンバーマンが精神統一のために目を閉じる。そして再び目を開けた時―――奴はもう攻撃を開始していた。
帰野先生に向かって勢いよく走りだし、距離を縮める。意表を突かれたのか、帰野先生の反応が少し遅れた。
「おかしい･･･」
思わず、そう呟く。
それを聞き取った美人が不思議そうにこちらを見る。
「なにがおかしいの？」
「あいつ、実力はないけど、頭はいい方じゃん。それなのに、さっきの秀才と同じことしてる」
「あえて、とかじゃないの？帰野先生も驚いてたし･･･」
「うーん･･･」
私が美人にもう一言、言おうとしたとき、物凄い音で遮られた。音の方を見ると、帰野先生のバットが真っ二つに切られていた。
「んー、やられた」
あっけらかんと言う帰野先生を、ボンバーマンが笑う。口角を上げ、勝ちを確信したかの如く、剣を振り上げた。
直前で、勇本先生が止めに入るだろう、と思いながら、こいつが私達の中で初めて先生に勝った、ということに少し腹を立てる。
だが、待てども待てども、先生のストップは入らなかった。
「勇本先生、止めないと･･･」
そう言い、勇本先生の方を見ようとしたが、帰野先生の思わぬ行動に、勢いよく顔を戻す。
帰野先生は、あろうことか、ボンバーマンが振り下ろす剣の刃の横の部分を、素手で跳ねのけたのだ。ボンバーマンの剣が空を切って飛んでいく。
「さて、これで素手と素手の戦いだが、どうする？」
「･･･はッ、甘く見てたわ、さすが元トップレベル」
帰野先生の構えを見る限り、この人は素手でも強い。すると、ボンバーマンが両手を上にあげた。
「無理こんなゴリラみたいなのと素手同士とか。降参でーす」
そう言い、ひらひらと歩いて元の場所に戻る。
「ゴリラは余計だ、くそ餓鬼」
そう言い、帰野先生が私達の方を見ながら、ストレッチを始める。
「さて、次はだれかなあ？」
あれ、もしかして、帰野先生、この後、え、素手？え？？
＿＿作者＿＿
またも待たせてすみません。高校は合格でした、はい。
今後、ゆっくりになりますが、更新を続けれたらなぁ、と思います。
気長に待っていただけると幸いです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
