恋と波乱が知っている-*探偵チームKZ事件ノート*- (ページ11)

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「じゃあ、またな。

何かあれば言えよ。何でも解決してやる！」

「うん、ありがと。バイバイ。」

颯爽と帰っていく和臣くん。

その後ろ姿を、
ジッと見つめることしか、出来なかった。

「何で…っ。」

私が立花さんと似てるから？

だから、告白したの？付き合ったの？

3年前からずっと。

あなただけを見てたのに…。

「明日…休もうかな。」

今日は、眠れそうになかった。

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あの日は、雨だった。

「はーるーか！」

「ちぃ！」

あの頃、私には友達がいた。

ちぃ、と呼ばせてもらってるのは、彼女の名が
千坂夜阿(ちさかよあ)だからで。

『今日ね、KZの練習この近くなんだって！

見に行かない？』

『行ってみたいな。』

『よし！行こっか！』

KZ、それは、私たちの憧れだったんだ。

いわゆる、エリート男子の集まり。

KZの子がいるだけで、歓声が上がった。

『あーあ、今終わったみたいだね。』

『えー残念だね。』

『でも見て！1人残ってる！』

『あれ…エースじゃない？』

『若武くん！？』

ちぃは、和臣くんが好きだった。

遠くから見守るような、
ちょっと奥手の子だったけれど。

『あ、こっちに来る！』

『嘘っどうしよう！』

慌てるちぃ。

『とりあえず、あっち側に渡らない？』

和臣くんが出てくる方とは反対側にいた私たち。

だけど…それを提案したのが間違いだった…。

『危ない！』

『！ちぃっ！』

マンガみたいに、誰かが突き飛ばすこともなく。

…私の目の前で、彼女は消えた。

『お前っ、携帯あるか！？』

『あるっ…！』

『呼べ！』

車道から歩道へ移動されたちぃを
見守るような目で見つめる和臣くん。

私が電話をし終わって、救急車が来たのは、

10分後だった。

…彼女は、もう戻ってこなかった。

ちぃの両親は、私のせいじゃないと言った。

だけど、私にはそんなこと思えない。

私は、友達を作らなくなった。

…失うのが怖いから。

結局、私は弱いんだ。

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