【アルスマグナ】恋はみたらしだんご【泉奏】 (ページ9)

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８話ページ9

授業は、転校初日というのもあり先生の自己紹介や、簡単なプリント、雑談がほとんどであっという間に放課後になってしまった

ダンス部に来て、と言われたものの…

まだ教室がどことか…覚えられていないわたしは、ダンス部だという泉さんに案内してもらおうと思ったのだけれど……

貴「泉さん、あの…」

泉「あっ、すみません、Aさん。これから風紀委員のミーティングがあって…」

濱「せんぱぁ～い！ミーティングはじまっちゃいますよぉっ」

泉「すみません、話でしたらまた今度聞きます。」

行っちゃったぁ……！！！

そっか、委員会に入ってるんだ…

風紀委員なんてすごいなぁ…きりっ！って感じ…

貴「よしっ！がんばるかー！」

カバンから甘い小町屋特製のいちご大福を取り出して、頬張りながら廊下の角を曲がってーって

貴「きゃあ！？」

神「うおぉ！？」

いったた…尻もちをついて、案の定お餅がのどに詰まった

貴「ごほっ、ごほ…っ」

神「ってぇ…おま、大丈夫か？
　なに…？餅が…のどに…？…詰まった？はあ！？お前ばっかじゃねーの！」

なんとかジェスチャーで今の状況を伝えることに成功したみたい

ぶつかってしまったのは、例の真っ赤な髪の男の子…確か泉さんがアキラって

ばっかじゃねーの！なんて怒られて呆れられたけど、そのアキラという人は少し雑だけど背中をさすってくれた

そのおかげもあって、なんとか飲み込んで落ち着くことができた

貴「えへへ…あの、アキラさん。ありがとうござました…っ」

神「別に…。てか普通歩きながらいちご大福食うかぁ？
　ありえねー…」

貴「だ、だってウチのいちご大福は美味しいんだから！
　ほどよい甘さでね、じゅわ～っていちごが広がって、それでっ、お餅がもっちもっちでっ」

ハッ！？

わたし話しすぎじゃない？！馴れ馴れしかったかな…？

神「んふっ、あっそ、よかったな」

気にしすぎ、と付け足されてなぜかアキラさんは笑ってて

そのうえ今度大福食べさせてくれ、だなんて

知らなかったアキラさんが、どんどんアップデートされていく

神「で、どうした？帰るなら下駄箱は反対方向だけど」

貴「それが………」

ケント先生に言われたことをそのままアキラさんに話すと驚いた様子

神「っ、まじか…
　 …しかたねーな！俺もこれから部室向かうとこだし、一緒に行くか」

貴「はい…っ」