Story 83 ページ37
―――せっかく色鮮やかな世界を見れるような気がしていたのに。
路肩に車を停めたローズは零れ落ちる涙を拭わなかった。
キュラソーの居ない世界はどこまでも暗かった。
色の無いモノクロの世界。
これまでAが閉じこもって来た世界。
『…どうしてっ…』
行き場のない想いが、気持ちが混ざりあって。交差して。
人の死なんて慣れている。組織の仲間なんて仲間であって仲間でない。いつだって死と隣り合わせの世界に居たのだ。それなのに。
Aの中のキュラソーの存在は大きかった。ベルモットより、ずっと大きかった。
「…ローズ」
コンコンと車の窓をたたく音と、誰かに呼ばれたコードネーム。
顔を上げるとそこに居たのはバーボンだった。
『…』
無言で助手席のドアを開けたローズに、ありがとうございますとお礼を言ってバーボンはそこに座った。
「…キュラソーは助からなかったのですね」
―――バーボンはしばらく迷って口を開いた。
後部座席で眠るように息絶えたキュラソーを思い出して、また涙を流すローズの頭を彼は撫でる。
「…あなたにとってキュラソーはかけがえのないひとだったんですね」
『…っ、私にとって、キュラソーは…姉であり、親友であり、戦友だった…ご、ごめんなさい…バーボン、こんな、見苦しいところを…』
見せて、と最後まで言わせてもらえなかった。
バーボンに唇をふさがれたのだ。
『…っ、』
あまりにも長い彼との口づけに、酸素を吸おうと口を開けば舌をねじ込まれた。
とろけるような甘く優しく切ないキス。
『バーボン…』
「…僕はあなたの力になりたい」
あなたが欲しい、そう言ってバーボンはローズを強く抱きしめた。
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祥子(プロフ) - とても深いグリーンさん» ありがとうございます！お待たせしました！！最終話にリンクを貼っております(^^)是非お楽しみください！ (2017年12月31日 11時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - ”いったん”完結おめでとうございます(^^)新章待ってます！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» 嬉しいなあ！クローバーさんも良いお年を〜(*^^*) (2017年12月28日 19時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 祥子さん» はい、暇あればチェックしちゃうんです(//∇//)ローズが心配ですが、良いお年を！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 0cbfa43b10 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます(*^^*) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年10月14日 16時
