Story 84 ページ38
「警視庁の綾野です」
「降谷です。どうぞこちらに」
降谷は警察庁にある応接室の一部に一人の女性を招き入れた。
“警察庁の警備企画課に所属する降谷零に折り入って話がある“―――そう、警視庁から直々に電話があったのはつい三日前の話だった。
「お忙しい中、お時間頂きありがとうございます」
綾野と名乗った女性はペコリと頭を下げた。年齢は40代ぐらいだろうか…随分と若く見える。見た目年齢でいうと20代後半と言ってもおかしくはない、そんな美しい人だった。
「いえ、話…とは」
「貴方の潜入する組織の事で」
降谷の目は驚きに変わる。自身が潜入している事は警察庁でも上層部しか知らないはずだ。しかも彼女は警視庁の所属である。
「…失礼。説明不足でしたね。緑川君の関係で存じております」
降谷の表情を瞬時に読み取った彼女はふわりと柔らかく笑う。
「…緑川君の前に組織に潜入していたのが私です」
「そう…でしたか」
降谷は先程、部下が持って来てくれたホットコーヒーをごくりと飲んだ。ああ、美味い。そうだ、少し落ち着こう。
「緑川君から降谷さんのことは度々聞いておりまして…。どうしても貴方の助けを借りたくてここに来たんです」
艶のあるショートウェーブの黒髪とダークブラウンの瞳。そうだ、自分はこの瞳を知っている。
「…助けを借りたい…とは？」
「私の娘が組織に居ます。あの子を組織から奪還したい」
「まさか―――――」
「私の娘は組織内でこう呼ばれています」
「“ローズ“……ですね」
「ええ…」
「しかし彼女は…」
「分かっています。今更なのは。でも助けたいのです…！！お願いします、降谷さん！力を貸してください」
もう一度ペコリと深いお辞儀をした彼女は去って行った。一つ名刺を残して。
〔 警視庁 公安部 綾野麗子〕
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祥子(プロフ) - とても深いグリーンさん» ありがとうございます！お待たせしました！！最終話にリンクを貼っております(^^)是非お楽しみください！ (2017年12月31日 11時) (
レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - ”いったん”完結おめでとうございます(^^)新章待ってます！ (2017年12月30日 22時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» 嬉しいなあ！クローバーさんも良いお年を〜(*^^*) (2017年12月28日 19時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 祥子さん» はい、暇あればチェックしちゃうんです(//∇//)ローズが心配ですが、良いお年を！ (2017年12月28日 0時) (レス) id: 0cbfa43b10 (このIDを非表示/違反報告)
祥子(プロフ) - クローバーさん» いつも楽しみにしてくださってありがとうございます(*^^*) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 509da0a297 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祥子 | 作成日時：2017年10月14日 16時
