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第三十八話 ページ41

A「何、さっきから…。」


シンタロー「…あの、さっきの話なんだけどよ…。」


A「いつの話?」


シンタロー「…俺とヒビヤが来る前の話。」


何か聞かれたくない事情があるのか、いつか見たエネのような目つきで睨まれた気がした。


A「で、それがどうしたの?」


シンタロー「あ…その…。」


思わず口ごもってしまった。


ふと、さっきのリビングの光景が俺の脳裏に蘇ってきた。


リビングに入る前に見たAの表情は、Aの家で見た寂しく笑っている顔とは全く違い、どこか儚しげだった。


『まあ都会に慣れるのもそう楽じゃないけどね。』


『シンタローのおかげで私も助かったよ、ありがとね。』


Aの笑顔と言葉を思い出すたび、胸に何かがこみ上げてくる。


俺は___


シンタロー「A。」


A「な、何…?」






シンタロー「つらくなった時は、無理しないでくれ。
…俺がいつでも相談に乗るから。」


こいつの事をもっと知りたい。





___助けたい。

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作者名:Madicc | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/redwhite/  
作成日時:2013年12月3日 11時

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