【カゲプロ】信じ合えば、きっと。 (ページ32)

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第二十九話ページ32

私とシンタローは、アジトまでの長い道のりを歩いていた。

私の家からアジトは、結構遠いので、往復するとなると不便な事は確実である。

話す事もなかったので、何事もなく歩いていたら、シンタローが何やら話しかけてきた。

シンタロー「あの…さ。」

A「うん？」

シンタロー「今日というか昨日はその…ありがとな。」

A「いえいえ。別に大したことじゃないんだけどね。」

シンタロー「デパートの時なんて、俺、全然役に立たなかったし…。」

A「ううん、シンタローのおかげで私も助かったよ、ありがとね。」

私はシンタローに少し微笑む。

シンタロー「あ、ああ…。」

そう言ってシンタローは恥ずかしかったのか、目を少し逸らし、顔はほんのり赤く染まっていた。

シンタロー「それにしても、わりいな。変な集団に巻き込ませちまって。」

A「いや、大丈夫だよ私は。」

シンタロー「お前、人付き合いとか苦手じゃないのか？」

A「いや、人見知りだけど話しかけてくれたらイケるタイプ。」

シンタロー「コミュ障の俺はどうなるんだよ⁈」

A「いやー、どうでしょうね。人付き合いというのは。」

シンタロー「おい！スルーするな！」

A「まあ、それなりに頑張ればいいんじゃない？」

私は笑いながらシンタローに励ました。

シンタロー「テキトーすぎんだろ…。」

呆れるシンタロー。

やっぱり、シンタローはなんだかんだで面白い人だ。

シンタロー「ていうかどんだけ遠いんだよアジト…もういい加減足が疲れてきたぞ。」

A「あともうちょっと～。」

シンタロー「のんびりし過ぎだろ！もうすぐ日が暮れるぞ。」

空を見ると、もうすでに夕日が沈んでいる最中だった。

A「あ、そうだね。急がなきゃ。」

シンタロー「今更かよ⁉」

A「声援としてエネちゃんも呼ぼうか？」

シンタロー「結構だ‼」

エネちゃんを呼ぼうとするも、さっそうとシンタローに断られた。

私たちは長い道のりを歩いてアジトに着いたのは、日がちょうど沈んだ時だった。