【歌IいI手】バンド、始めてみませんか？

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桐「えー…」

天「その本気で嫌そうな顔するのやめよう？」

だって、人のことあだ名で呼んだことな…と引き下がろうとする桐原さんに天月くんがいーの！と軽く声を張って発言を阻止する

そ「天月、無理に言わせるのもあんまり…」

天「大丈夫、ほら、天月とか、なんでもいいから」

桐「えぇ…」

歌「ほら、無理は良くないって」

桐「…あ、あま…」

天「あま？つ？」

そ「なんなんだお前は」

持っていた参考書を天月くんの頭にすぱーんとクリーンヒットさせたそらるさんは、視線をまた数学のページに戻した

…あ、電車の中です、ほんと他に乗ってる方少ないけど申し訳ない

「まあ、桐原さんがどう呼ぶかは置いといて僕らがどう呼ぶかってのもなんというか、ね？」

そ「桐原…、あだ名とかって呼ばれた事」

桐「ない、ないですないない」

歌「敬語挟んできたのも置いといて…、考える？いっそのこと下の名前呼び捨て「恥ずかしいので却下」なんで本人が恥ずかしがってるの」

なんかやだぁ…、と嫌がる桐原さんに、でもそれ以外なくない？とそらるさんがぼそっと呟く

視線は紙に向かったままだけど、耳は貸してるみたい

桐「…そうかもだけど」

歌「Aちゃん？」

桐「…むず痒い…」

天「可愛い名前してるんだしそのまんまで「ナンパ？天月くんいきなりナンパ？えっ」ちょっと本気で引かないでって！」


…？


「…あ」

そ「今天月くんって」


桐「…口からでたぁ…」

歌「じゃあもうあだ名で呼んでね？」

桐「ちょっと、それは厳しいって…」

天「いやいける！決定！」

桐「えぇー…」



「…A、だけなら」

そ「…ああ、ちゃんとか無しってこと？」

桐「…確かに、むず痒さってそっちにあったかも」

天「え、何、いきなりどうしたの？」

すぐに読み取ってくれたそらるさんと全く理解してない天月くんの差の激しさにいつも通りだなあって思いつつ、軽く説明するとなるほどねえと納得した模様

そ「めんどくさいし俺もそれでいいと思うんだよね」

桐「私からしても、まあ…」

天「じゃ、…そういうことで？」


「…緩いなぁ」

歌「相変わらずでよろしい、って？」

「かなあ…、…歌詞太郎さん、呼ぶことに抵抗ないんですか？」

ふと、気になったからって3人が別の話題に移ったところで歌詞太郎さんに問いかけた


歌「…さあ、どうだろうなあ…」

顔の表情は、前より優しくて、でもどこかで警戒していた気がする

＊…
深夜テンソン
曲漁りが楽しい日々

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