06.モヤモヤとドキドキ ページ8
スポーツ用品店での会計を済ませた私は、店舗の敷地から出て少し歩き、トイレの近くの通路の端で、荷物を足元に置いてスマホをいじっていた。
暫くしてスマホから顔を上げてみると、なぜかトイレの前じゃなく、さっきのスポーツ用品店の前に御幸がいて、しかも…
…なんか…女子大生っぽい2人と…話してるように見えるんですけど…。
え…知り合い?
…とは違うみたいだし、これはやっぱり逆ナンってヤツ…?
一瞬、このまま放置して1人で次の店に行こうかとも思ったけど、なんだか…胸が、モヤモヤして…。
少しだけ迷ったあと、私はため息をついてから足元の荷物を持ち、御幸の方へと歩いて行った。
すると、途中で私が近付くのに気付いた御幸が、ニッと口角を上げて笑う。
…ん?
なんか今…イヤな予感が…。
そう思いながら、御幸の斜め後ろ辺りまで近付き、この人達は?と、聞こうとした瞬間___。
肩に御幸の腕が回ってきて、グイッと…引き寄せられてしまった…。
…は?え?
「来ましたよ、ツレが。ほんとだったでしょ?」
なんだか楽しげな御幸の声が聞こえるけど…
私は頭が真っ白になっていて、御幸の肩口に頬をつけたまま固まっていた。
回された腕や頬に触れる肩から伝わる体温に、ドッドッドッと異常なほど鼓動が早くなって、耳栓をしたように回りの音が聞こえ難くなる…。
時間にすると、たぶんたったの数秒間。
私にはそれよりずっと長く感じたその間に、女子大生っぽい2人は去っていったようで…。
ふぅ…と御幸が息をつき、私はそれでようやく頭が回り始めた。
「…御幸…」
「何ですか?」
「ちょっと…色々説明してくれない…?」
「あぁ、そうですよね。いや、あの人達に、暇なら一緒に遊ぼうみたいに言われたんですけど、ツレがいるって言っても信じてくれなく…て…」
去っていった2人に向けていた視線を私へ動かした御幸は、そこで言葉を途切らせる。
私の顔を見て軽く目を見張ったあと、御幸は横を向いて盛大に吹き出した。
「ぶはっ!Aさん、すげー真っ赤!」
「なっ…!だ、誰のせいだと思ってんの!」
「いや、だって…!」
「だってじゃない!き、急にこんなことされたらビックリするから!…っていうかいつまで肩抱いてんの!」
「す、すみませ…くくくっ!」
するり、と私の肩から手を離したものの、御幸はしつこく笑い続けている。
こ、こ、こいつは〜…!
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ゆう - →素敵な作品に出会えて良かったです。これからも応援しています、頑張ってください。長文失礼致しました>< (2017年12月19日 14時) (レス) id: bf0a56ad2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - はじめまして、1話から一気に読ませていただきました!元々御幸くんの小説読みたいな〜なんて軽い気持ちで読み始めたのですが、読んでいくうちにキュンキュンが止まらなくて、一気に読んでしましました…(笑)→ (2017年12月19日 14時) (レス) id: bf0a56ad2f (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 雪星さん» そうなんですね!笑 是非是非お願いします(人´3`*)〜♪笑 (2016年10月12日 20時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 夏乃実さん» 夏乃実さんっ!私もそんな御幸がツボです(真顔)。自分の欲望やら願望やらが色々詰め込まれた作品ですが、ツボが同じ人には楽しんでもらえたかな、と思ってます(^^;表現とかは…いやいや、まだまだです、はい(>_<)応援ありがとうございます!頑張りますね! (2016年10月12日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 美憂春さん» そうですね〜、気長に待っててください(^^;後朝は、ノリと勢いで書き始めたんですが、予想以上にイチャイチャラブラブ度が高くなって自分でもニヤニヤ通り越して恥ずかしくなってました…( ̄▽ ̄;)マイペースですけど、色々考えてみますね〜(*^^*) (2016年10月12日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2016年8月11日 18時