44.ポケットの中身 ページ46
「…う…そ…」
右手の甲を口元に当てて、思わず呟く。
御幸が…私を…？
え…ほんと…に…？
すると、御幸はゴソッと右手をジャージのポケットに突っ込み、何かを取り出した。
「…手…出してください…」
「…え…手…？」
言われるがまま、私は口元に当てていた右手を御幸の方へ差し出した。
すると、御幸は両手を使って私の手首に何かをスッとはめて…
…って…
「…っ、こ、これ…！」
手首につけられたのは…
見覚えのある、青、白、黄色のストライプ模様のリストバンド。
そう…
およそ2ヶ月前、純の命令で御幸と2人で買い出しに行くことになったスポーツ用品店。
そこで見つけて一目で気に入ったものの、金欠で買うのを諦めた、青道のイメージカラーそのものの…
「な…なんで、これ…！」
ガバッ、と御幸を見上げると、御幸はスッ…と私の腕を取り、リストバンドへ視線を落としながら説明し始めた。
「…あの時…Aさんが気に入ったみたいだったんで…後で驚かそうと思ってたんです…」
「…あ、あの時…買ってたの…？」
「でも…それから、全然渡せなくて…。何回も机の上とポケットを往復させてたんで、袋とかもうグチャグチャで…」
私は…
私は、改めて御幸がくれたリストバンドへ目を向けた。
つまり…
つまり、御幸は2ヶ月間ずっと…コレを私に渡そうとして…でも、渡せなくて…
カッ、と顔が強烈に火照ってくるのと、御幸が「あー…カッコわる…」と呟くのがほぼ同時だった。
おずおずと顔を上げると、御幸は赤面したまま決まり悪そうな表情で私を見下ろしている。
「…でも…これで、信じてくれました…？俺の、気持ち…」
相変わらずどこか拗ねたように聞いてくる御幸を、暫く見つめてから…
私は再びリストバンドへ目を落とし、この2ヶ月の御幸の葛藤を思いながら…
コクン、と頷いた。
すると御幸が、ふううぅぅ…と大きく息を吐く。
そして…
「…じゃあ…Aさんはどうなんですか？」
…と、ごく当たり前のように聞いてきた。
…はい？
「…え？」
「…俺のこと…どう思ってるんですか？」
今さらそんな質問をされると思ってなかった私は、思わず息を飲んでしまった。
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ゆう - →素敵な作品に出会えて良かったです。これからも応援しています、頑張ってください。長文失礼致しました>< (2017年12月19日 14時) (
レス) id: bf0a56ad2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - はじめまして、1話から一気に読ませていただきました！元々御幸くんの小説読みたいな〜なんて軽い気持ちで読み始めたのですが、読んでいくうちにキュンキュンが止まらなくて、一気に読んでしましました…（笑）→ (2017年12月19日 14時) (レス) id: bf0a56ad2f (このIDを非表示/違反報告)
美憂春(プロフ) - 雪星さん» そうなんですね！笑 是非是非お願いします(人´3｀*)〜♪笑 (2016年10月12日 20時) (レス) id: 03ce076a00 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 夏乃実さん» 夏乃実さんっ！私もそんな御幸がツボです(真顔)。自分の欲望やら願望やらが色々詰め込まれた作品ですが、ツボが同じ人には楽しんでもらえたかな、と思ってます(^^;表現とかは…いやいや、まだまだです、はい(>_<)応援ありがとうございます！頑張りますね！ (2016年10月12日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 美憂春さん» そうですね〜、気長に待っててください(^^;後朝は、ノリと勢いで書き始めたんですが、予想以上にイチャイチャラブラブ度が高くなって自分でもニヤニヤ通り越して恥ずかしくなってました…(￣▽￣;)マイペースですけど、色々考えてみますね〜(*^^*) (2016年10月12日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪星
| 作成日時：2016年8月11日 18時
