検索窓
今日:7 hit、昨日:35 hit、合計:467,971 hit

【白河勝之と仔猫】★ ページ29

※白河視点
_______

なんで…


よりによってこんなところで…


「ミァ〜」

「………………。」


キャプテンの遣いで訪れた、青道のマネージャー室の手前約5メートル。

通路の片隅で何かが動いたと思って足を止めたら、小さい毛玉がピョコピョコ近付いてきて…

よく見たらソレは、茶トラ模様の仔猫だった。

「ミァ〜」

俺の足元までやって来たソレは、真ん丸の目でこっちを見上げ、首を傾げながら鳴いた。

「………………。」

とりあえず、無言でジッと見下ろしてみる。
人間が相手なら、大抵のヤツが目を逸らすんだけど…

「ミァ〜」

何を思ったのか、ソレは俺を見上げたままもう一度鳴いて、右足にすり寄ってきた。


………………。


…はぁ…

とため息をついた後、俺はその場にしゃがみ、茶トラのソレの頭や喉元をグリグリと撫でてやる。
すると、ソレは気持ち良さそうに目を閉じて、ゴロゴロと喉を鳴らした。

「ミァ〜」

「…食べ物は持ってない…」

「ミー?」

「…本当に…」

「ミァウ〜」

「…あまり…遊ぶ時間もないんだけど…」

撫でてやっていた手にスリスリと顔を擦り付けるソレの鳴き声に適当に答えていると、ソレはつぶらな瞳でまた俺を見上げ、嬉しそうに「ミァ〜」と鳴いた。

「………………。」

それを見て、思わずフッ…と表情を緩めた…瞬間。

カシャッ

というシャッター音が聞こえてきて…

ハッと顔を上げると、いつの間にかマネージャー室のドアが開かれていて、そこには真剣にスマホを構えてる残念な三年生マネが一人…。

「…何撮ってんの…」

「仔猫と会話する白河君…こんなシャッターチャンスを逃すワケにはいかない…!」

「意味わかんないんだけど…」

「さらに!その後の、仔猫を見つめる慈愛に満ちた眼差し…!それはまるで聖母マリアを彷彿とさせるようであり、猫と人間という種を超えた清らかで美しいピュアな心の交流を…」

「とりあえず、今すぐその写真消さないと末代まで呪ってやる。」

「やだもう白河君てば怖〜い。」

「………………。」

「…えと…あの…すみませんごめんなさい謝りますから、能面のような顔で『死ねばいいのに』って小声で繰り返すのやめてください…」


(瑠璃(仮)様リク)

【伊佐敷純の特徴】★→←【成宮鳴の発熱(2)】★



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (312 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1109人がお気に入り
設定タグ:ダイヤのA , 短編集 , ギャグ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪星(プロフ) - さーたんさん» 楽しんでもらえたようで良かったです!とりあえず、照れはするだろうな、と。それからの反応はそれぞれ違うだろうな、と思いながら書きました(>_<)ゾノはこのシリーズのオチ担当です(笑) (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - のりさん» ゾノは、あの歌を歌ってる場面がポンッと降ってきまして(笑)御幸の回なのになんだかゾノがメインになってしまったような…(^^;まぁ面白くなったからいいかな、と(^^; (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 桜さん» いえいえ、こちらこそせっかくリクしていただいたのに、お応えできなくて申し訳ありません(T_T)再開したら、またヨロシクお願いします! (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
さーたん - やばいですね!!!事故チューどれも最高でしたッ!金丸はかわいいし亮さんはかっこいい!!そしてゾノの登場にはわらいました笑 みんなが照れててテンション上がりました笑 ありがとうございます!!笑 (2017年2月19日 0時) (レス) id: a56f300cf9 (このIDを非表示/違反報告)
のり - 雪星さん» ども、おひさです。…とりあえず、ゾノwお主は我をわらかしてくるのぅw御幸の話を読むとデリカシークラッシャー御幸を思い出してただでさえ吹いちゃうのにw (2017年2月16日 23時) (レス) id: 7a0132dcf2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪星 | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年7月29日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。