【一年生の場合・弐(3)】★ ページ11
「それってアレか! 若菜が大人になったっつって赤飯炊いてたアレか! 」
「…まぁ…当たらずといえども遠からず…」
「じゃあ、めでたいんで赤飯炊かねぇと!」
「いや、赤飯炊くのは初めての時だけだから!」
…と、条件反射のように沢村に突っ込んでいると、コンコンとまたドアがノックされる。
「失礼しまーす…」
「…っす。」
入ってきたのは、東条君と金丸。
…えーと。
変なタイミングで来ちゃったなぁ…。
「…えーと…?二人はどうしたの?ちょっと今若干取り込み中で…」
「いえ、なんか部屋の中が騒がしかったんで、どうかしたのかと…」
「どうせ沢村のヤローが騒いでるだけだとは思ったけどな。」
「なにおぅっ!?」
「ぼ、僕達は、A先輩が元気なさそうだったから様子を見に来たんだよ…」
金丸にムキッと目を剥く沢村を春市君が「どうどう」と宥めながら説明する。
「え?そうなんだ?A先輩大丈夫ですか?」
春市君の話を聞いて少し心配そうな顔をする東条君に、とりあえず大丈夫だと言おうとしたら…それより早く、降谷君が真顔で口を開いた。
「A先輩は、『初めて』を迎えて大人になって、オメデタで赤飯を炊かなくちゃいけなくて、病気じゃないけど調子が悪い…」
「いやちょっと待って降谷君それとんでもない誤解を生むから!」
冷や汗をかきながら私が降谷君を止めるのと、春市君が慌てて降谷君の口をモガッと塞ぐのが、ほぼ同時だった。
それから春市君が、赤面したまま東条君と金丸に向き直る。
「そ、そうじゃなくて…!だから、その、お、女の子の日らしくて…!ぼ、僕達も早く退散した方がいいと思うんだけど…!」
その言葉で、固まっていた東条君と金丸は状況を理解できたらしい。
東条君は苦笑いを浮かべ、金丸は眉間に皺を寄せて耳まで赤くなる。
「…えと…お大事に…って言うのも変なのかな…」
「いや、その気持ちだけで十分だよ東条君…」
「沢村っ!だから騒ぎ過ぎなんだよテメェは!」
「俺何もしてねぇし!」
「ほら降谷君、僕達がいるとA先輩が帰れないから、もう部屋に戻ろうよ…」
「…赤飯は…?」
「降谷君…赤飯のことはもう忘れて…」
げんなりしながらそう言うと、常識派の3人がいまいちわかってない沢村と降谷君を引き摺って、「失礼しました!」と帰って行った。
…察しのいい子の人数の方が多くて良かった…。
(Rin様リク)
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雪星(プロフ) - さーたんさん» 楽しんでもらえたようで良かったです!とりあえず、照れはするだろうな、と。それからの反応はそれぞれ違うだろうな、と思いながら書きました(>_<)ゾノはこのシリーズのオチ担当です(笑) (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - のりさん» ゾノは、あの歌を歌ってる場面がポンッと降ってきまして(笑)御幸の回なのになんだかゾノがメインになってしまったような…(^^;まぁ面白くなったからいいかな、と(^^; (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 桜さん» いえいえ、こちらこそせっかくリクしていただいたのに、お応えできなくて申し訳ありません(T_T)再開したら、またヨロシクお願いします! (2017年3月2日 20時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
さーたん - やばいですね!!!事故チューどれも最高でしたッ!金丸はかわいいし亮さんはかっこいい!!そしてゾノの登場にはわらいました笑 みんなが照れててテンション上がりました笑 ありがとうございます!!笑 (2017年2月19日 0時) (レス) id: a56f300cf9 (このIDを非表示/違反報告)
のり - 雪星さん» ども、おひさです。…とりあえず、ゾノwお主は我をわらかしてくるのぅw御幸の話を読むとデリカシークラッシャー御幸を思い出してただでさえ吹いちゃうのにw (2017年2月16日 23時) (レス) id: 7a0132dcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月29日 18時