【ダイヤのA】部活終了後のマネージャー室４《短編集》

【成宮＆カルロス＆白河と生理現象(2)】★ ページ39

「あー、なんか暑くてよ…って、鳴に白河じゃねぇか…なんでお前らが…」

「それはこっちのセリフだっつーの。」

「…好きで来たワケじゃない…」

腕組みをしながらプリプリと怒っている成宮君と、心底嫌そうな表情をしながら顔を逸らす白河君。

とりあえず、今日のところはもうこれで三人仲良く帰ってもらおうと私が口を開こうとすると、それより早く成宮君が何かに気付き、腕組みを解いて、神谷君に少し近付いた。

「…あれ？…ねぇ…カルロ…？」

「何だよ？」

成宮君は、怪訝そうな顔をする神谷君の顔を見たり、そこから視線を下げたり…を何度か繰り返したあと…

ニタリ、と笑った。

「テント張ってるよ。プププッ♪」

「あ？」

そう言って神谷君は、自分の太ももあたりに視線を落とし、「…あぁ…」と納得したような顔をした。
私の隣では白河君も額に手を当てて俯いてるけど、私は一人状況が飲み込めない。

「…ねぇ白河君…テントって何？」

少なくともこの部屋にテントはない。

そう思って、聞いてみたら。
白河君は額に当てていた手を下ろし、半目で私を見下ろした。

「…後悔しても知らないから…」

「え？」

後悔？なんで？
…と、思った瞬間。

「えー、何々、Aさん、意味わかんないー？じゃあ俺が教えてあげるー♪」

プププッと片手で口を押さえながら成宮君が振り返り、ずいっと顔を近付けてきて、そのまま私の耳元で囁いた。

「カルロの奴…今、勃っちゃってんの♪」

「…はぁ！？」

一瞬遅れて成宮君の言葉の意味を悟り、ぼぅっ、と顔が一気に熱くなってくる。

た、勃って…って、ちょ、えぇっ！？

ガバッと条件反射のように神谷君に視線を向けてしまったけど、さすがにその視線を下に下げる勇気はなくてそのままフリーズする。

どどどど、どうしよう…！
っていうか、なんで今そんな状態になるワケ！？
そしてなんで神谷君は平然としてられるの！？

軽いパニック状態に陥ってると、成宮君がやれやれという感じに両手を広げながら続ける。

「ま、これはヤラシイ気持ちとは関係なくてただの生理現象なんだけどさー。朝、勃っちゃうのと一緒。」

「さっきちょっと寝ちまったからな。」

しれっ、と神谷君も続き、あぁ、下心があったワケじゃないからこんなに堂々としてんのかな、って少しは納得したものの、とはいえこっちとしてはやっぱりなんだか恥ずかしい。

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