【成宮&白河と風邪(2)】★ ページ19
容赦ないと言うか、なんと言うか…
まぁ、その通りだと思ってしまう私も私だけど…
「…で、そっちは誰が風邪引いてんの?」
チラッと視線だけこっちに向けて白河君が聞いてきて、私はえーと、と今日の部活の様子を思い出しながら答えた。
「…大したことはないみたいだけど、クリスとか亮介とか、あと川上も…」
「…あんたは大丈夫なの?」
「うん。全然平気。」
「ほら、バカは風邪引かないんだよ。」
「…どういう意味かな?」
ほんっとにコイツは…!
引きつった笑いを浮かべていると、成宮君がむぅ、と膨れながら口を開く。
「あのさぁ白河ー。見張り役が面倒だからって、俺やAさんに八つ当たりしないでよー。」
「違う。単なる事実だから。」
「…あれ?ちょっと待って…ていうか…」
…と、そこで『ある事』に気付いて、私は半目になりながら白河君を見つめた。
「私や成宮君に散々バカは風邪引かないって言ってるけど、白河君だって風邪引いてないんでしょ?これはどういうことなの?」
「……………。」
私の言葉に、白河君は顔を逸らしたまま黙り込む。
それから、およそ3秒後。
白河君はすぅっと息を吸い込んで…
「ゲホッゲホッゲホッ」
「うっそ、今さら!?」
「わざとらしすぎでしょ!」
成宮君と私に続けて突っ込まれた白河君は、顔を逸らしたまま苦虫を噛み潰したような顔をしてた。
「ぷぷっ、いいよいいよ白河〜。たまにはこういうこともあるよね〜。」
「うるさい黙れバカ。」
「バカバカ言う方がバカなんだよ〜。」
「ガキ。」
「そうそう、俺まだ子供だから〜。」
ヘラヘラと答える成宮君にため息をつくと、白河君はくるっと体の向きを変えた。
「…帰る。」
「あ、そう?気をつけてねー。」
成宮君が手を振って見送る中、白河君はスタスタと歩いてドアノブに手をかけ、そこでピタッと立ち止まって呟くように言った。
「…鳴が、『風邪なんか引くのはまだまだ鍛え方が足りない証拠だよね、ゴリラみたいな体格してるクセに』って言ってたってキャプテンに報告しとく。」
「は!?ちょっと待って俺そんなこと一言も言ってないけど!?」
途端に成宮君が血相を変えたけど、白河君は無視してドアを開いて帰っていく。
「おい白河!…Aさん、ごめん、また来るね!ちょっとー!白河ってばー!虚偽報告はんたーい!!」
そう言いながら、成宮君も白河君を追いかけて出ていった。
…要するに…二人とも子供だよ…。
(*優愛*様リク)
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雪星(プロフ) - 椰子の実さん» 椰子の実さん、コメントありがとうございます!大好きと言ってもらえるだけで嬉しいのに、頻繁に読んでくださっているとは…!元々自分の息抜きで始めたある意味バカバカしい短編集ですが(^^;楽しんで書いてますので、また読んでやってくださいっ(≧▽≦) (2016年9月11日 22時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
椰子の実 - このシリーズが本当に大好きで大好きで、ほぼ毎日読んでる感あります(笑) (2016年9月11日 20時) (レス) id: 5b93e46beb (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 抹茶さん» 抹茶さん、コメありがとうございます!夢主は、制服の時は基本的に短パン装着してる設定です(^^;すぐ足が出る自覚があるので…(^^;たまに忘れてたりして、倉持や白河君がその場面に遭遇してラッキースケベが発動してます(^^; (2016年4月6日 23時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - この作品とっても面白いです(^^♪後、前々からずっと気になってた事があるんですが夢主ってよく回し蹴り?してますよね、この時パンツ丸見えになってないんですか?もし、見えてたら倉持達は見て見ぬふりをしているのですか? (2016年4月4日 23時) (レス) id: 301a2e1b49 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - あおあおさん» あおあおさん、はじめまして!コメありがとうございます!有り難いお言葉、嬉しいやら恥ずかしいやら…(≧▽≦)なるべく早く続編公開できるように頑張りますので、少々お待ちください(>_<) (2016年4月2日 22時) (レス) id: 1f6d2a7be2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪星 | 作成日時:2016年1月27日 19時