溺愛される鬼少女② (ページ42)

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頑張ります① ページ42

小芭内さんに勧められてお館様に頼むことになった。

「やあ、よく来たね。A」

「お館様…お忙しい中すみません」

お館様に頭を下げてそう言う。
久しぶりだなあ。

「いいんだ。君のためならいつでも時間をとるよ」

「…っありがとうございます」

お館様は本当に優しい。
言葉ひとつひとつに重みがある。

「実は…私、もう一度鬼殺隊として人々を守っていきたいんです」

「なるほど。呼吸は使えるのかな？」

「ここ数日、鍛錬を積み重ねて来ました」

そう言うとお館様は微笑んだ。

「蝶屋敷に鬼が侵入した時、Aが倒したと言うのは本当かい？」

「本当です。その時に呼吸を使いました。人間だった頃使っていた花の呼吸ではなく、鬼の呼吸という新しい呼吸です」

私の言葉を聞いてお館様は私を近くまで呼んでくださる。

「君は偉い子だ」

そう言って頭を優しく撫でてくださった。

「私は最近の子供たちの違和感を気づいていたけれど何も出来なかった。ごめんね」

きっと彩さんの話だ。
柱の心の変化をお館様は気づいてた。

「いえ、そんな…」

「辛い中、よく頑張ったね。私は今でもAは鬼殺隊の一員だと思ってるよ。だから、Aのしたい事に反対はしない」

「じゃあ…！」

真っ直ぐお館様の目を見つめた。

「頑張ってね」

お館様に思わず抱きつきたくなった気持ちを抑えてありがとうございますと頭を下げた。

「頑張ります。必ず役に立ちます」

その後すぐお館様に別れを告げて蝶屋敷に戻った。

「しのぶさんに報告しないと」

怒られるかな？
しのぶさん…

「私がどうかしました？」

「あ、しのぶさん」

後ろから歩いて来たしのぶさん。
…なんか気まずい気がする。

「…あの、私っ。鬼殺隊でもう一度鬼を狩ります」

「…わかってましたよ」

静かにそう言ったしのぶさん。

「え？」

「Aが夜に鍛錬しているのも知っていました」

「う、うるさかったですか？」

起こしてしまったのかもしれない。
それは切腹したい。

「いえ。私にバレないと思いました？」

「…ですよね」