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また少し、歩を進めたとき。
荒れ果てた土地が目前に広がっていた。ふうん、などと呟いて、興味本位で歩いて回った。風が吹けば砂埃が舞う。
とりあえず一通り歩いて、くるりと私は振り返る。距離を開けて後ろにいる人は、さして面白くもなさそうに周囲を見回していた。
「影山さん、ここはどうやら昔村があったようですよ」
「あ? ……何でそんなこと分かんだよ」
「直感です。なんていう根拠のないものじゃありませんがね。だって不自然でしょ、こんな荒地。それに――」
影山さんに背を向けて、ぐるりとその荒地を見渡す。そして、あれだ、と少し先を指差した。
「あれなんて、まんま人工建造物じゃありませんか」
白い――いや既に砂埃やらで茶色くなっているが、元々は白かったと思わせるような色だ――それは、何やらよくは見えないが文字や絵が彫られている。宗教的な何かだったのだろうか? もうボロボロである。
あの建造物に、不自然な荒地。元々村があった、と私に思わせる根拠がそれである。私の説明を聞くと、ふうん、と影山さんは流すような相槌をした。
「人がいねえならもうどうでもいいだろ」
「酷いですね影山さん。どうしてこんなことになったのか、とか気になりません?」
「興味ない」
大分歩いたから疲れた、と言って、影山さんは近くにあった岩に腰を下ろす。そういえば私もちょっと足が痛いくらいだ。そう気がついて、同じように近くの岩に座った。
ごつごつした感触に慣れないでいると、影山さんは荷物を下ろして息を吐く。流石の影山さんも疲れているんだ。
「……食えるもん、なんかないか」
「ここにはなさそうですね」
「あと少し行けば森だろ?」
「多分そうです。でも、さっきの砂漠よりかは何かあるかも……」
私が何か探してきます、と立ち上がると、不意に物音がした。
警戒しながら振り返る。影山さんも緊張の面持ちで、置いた荷物にそっと手を伸ばしていた。
誰かいる? もしくは動物? ……そう思った、そのとき。
「――ぶっはあ! 死ぬかと思った!!」
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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年8月1日 18時