[オリジナル恋愛小説]いちげきっ！ (ページ16)

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＊第３話＊ページ16

～次の日～

｢じゃあみは、よろしくね。お願いね｣

朝、教室に着くと舞桜が言った。

｢うん、任せて。絶対成功させよ！｣

私は明るく答えた。

そして、レイの教室に向かった。

でも、内心不安だった。

もし舞桜の想いが通じて、レイと付き合ったらめでたい。

でも、結城はどうなるんだろう。

結城とレイは仲が良い。

好きな人が親友の彼女になりなんて、辛いに決まってる。

だから、この告白が成功して欲しいと思う反面、失敗してもそれはそれで安心と思っている自分がいる。

そんなことを考えているうちにレイの教室に着いた。

教室のドアから中を覗きこむ。

｢あの～オルコット玲唯さんいますか～？｣

｢あっ！心陽！｣

超ちっちゃい声で呼び掛けたのに、レイは気づいてくれた。

｢ちょっとごめんね、レイ。今いいかな？｣

｢うん、良いよ。｣

レイはなぜか嬉しそうに答える。

｢あ、じゃあ、武道場まで…｣

｢武道場？OK｣

レイは笑って答えると、私に続いて歩き出した。

武道場の裏に着くと、舞桜が待っていた。

｢あ、じゃあ…後は舞桜、頑張ってね｣

私はそう言うと、その場から少し離れたところに立って二人を見守った。

舞桜の顔は緊張で少し強ばっている。

｢何？舞桜？｣

レイはいつもの調子で尋ねる。

舞桜は意を決した様に口を開く。

｢あ、あのさ！うち…レイのことが…す、好き！付き合って下さい‼｣

レイはそれを聞くと少し驚いた表情をして、それからいつもの笑みを浮かべた。

｢舞桜…有難う…

でも、ごめん｣

あ、まじか。

｢え、あ、うん…そうだよね…。ごめんね、う…ん｣

舞桜は今にも泣きそうだ。

｢僕、好きな人がいるんだ。｣

レイは申し訳なさそうな表情でそう言った。

え？…好きな人？

｢そうなんだ…ちなみに誰なの？よかったら、教えてくれない？｣

舞桜が静かに聞いた。

｢うん…その人はね…｣

そこまで言うと、レイは私の方を向いた。

え？まさか？うん？

｢心陽だよ。僕の好きな人｣

えーっ‼‼

｢心陽は僕のこと、好き？｣