◇平行線 ページ22
『櫻井くん！？』
「先生、」
『どうしたの！』
「ちょっと、いろいろあって」
目の前に立っている櫻井くんは、
雨でびしょびしょで。
急いで手を引いて玄関に向かう、
日が傾いて、少し寒くなってきたから、
これ以上冷えたら風邪ひいちゃう！
「ちょ、先生床！濡れてる！」
『いいから！』
一番暖房が効く部屋が寝室だったから、
スイッチを入れて、
「え、え？」
ってなってる櫻井くんは放置して、
湯銭のスイッチを入れて、
脱衣所からバスタオルを取る。
『服脱いで』
「え、あ、うん」
ガバッと、Tシャツを脱いだ櫻井くんにタオルをかけて、
ごしごし拭いてたんだけど、
「ちょ、先生痛い」
『あ、ごめ、』
そこで初めて、
櫻井くん上半身裸だ、って認識して、
というか裸にしちゃったんだ、って認識して。
「先生？」
どしたの？ってされるがままになってた櫻井くんの手が、
ほほに触れて、
手が止まってたんだ、って気づいて、
その手の冷たさに動揺して、
『お風呂湧いたら声かけるから、ちゃんと拭いて待っててね』
何してるんだろう、って自分に問いかけた。
潤くんのストックしてる服を選びながら、
きゅう、と目をつぶったのは、
とっさに、
櫻井くんにキスされたことを思い出したからで。
ほんとに、もう何年も前のことなのに、
どうしてこんなに引きずるんだろう、って。
お風呂が沸いた時とか、
タオルとか服の話をしてる時も、
顔がまともに見れなくて。
あぁ、何やってるんだろう、って。
ただ黙々と家事をこなしながら、
ぐるぐるとそのことが頭をよぎる。
「せんせ？」
『あ、大丈夫だった？』
「ん、助かった、ありがと」
先週の土曜日と同じ、
セットしてない髪はとっても柔らかそうで、
触りたいなぁ、なんて考えてる邪心を必死に払って、
『夜ご飯食べよっか』
そう笑った。
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ももねる(プロフ) - たまりんさん» はじめまして、読んでいただけてとても嬉しいです。楽しんでいただけるよう、精一杯頑張ります、よろしくお願いいたします。 (2020年5月5日 18時) (
レス) id: 783ca8666b (このIDを非表示/違反報告)
たまりん(プロフ) - はじめまして。 S Sさんが好きで、オススメ作品に上がっていたので読ませていただきました。それぞれの恋心が見え隠れして、続きが読みたいと思いました。更新楽しみにしております。 (2020年5月5日 9時) (レス) id: 73cb3c7af7 (このIDを非表示/違反報告)
ももねる(プロフ) - あやみさん» はじめまして、コメントありがとうございます！とても嬉しかったです、頑張ります(*´艸`*) (2020年4月29日 22時) (レス) id: 783ca8666b (このIDを非表示/違反報告)
あやみ(プロフ) - こんにちは！はじめまして。設定が面白くてこれからが楽しみです！ご自分のペースで頑張って下さい！ (2020年4月29日 13時) (レス) id: 640a7319d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももねる x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2020年4月28日 23時
