At Home's Lover ~Extra Edition~【黛千尋】

Spin off #01 あなたと見る雪景色(８) ページ9

そんなこんなで３日目。




「うわ…今日寒いねー」

「そうだねー」



スキーウェアに着替えながらAちゃんと話す。



「ｼﾞｰ」

「・・な、何？」





いつもと変わらないAちゃんなのに、

昨夜の事実発覚以降、


どうも大人に見えて仕方ない。




本当に黛さんと・・？


部活以外であの人と関わる機会なかったけど


実は結構積極的なんだな・・・







「はぁ…」






"積極的"といえば、


忘れかけていたけど、福室君も。



修学旅行の夜に密会なんて・・ふしだらな！！









「今日はいつもより滑り易いから、気をつけるんだぞー」





列に並んでいた時、やって来たのは木暮先生。






「木暮先生こっちで滑るんですか？」


「いや、様子見に来ただけなんだが・・」




すると、こちらをチラッと見て、何故か笑った。





「本田！俺と一緒に滑るか？」

「え！？」




私の前に割り込んできた先生。


御歳30の先生が、生徒に混じっても何ら遜色ない。←





「何で私なんですか！」

「本田面白いからなー」

「優乃ちゃんと滑りたいです！」

「あはは・・」





こう見えてこの先生、根っからのS。


プチS。



Aちゃんみたいな生徒は、１番いじめ甲斐があるらしい。






「よっし！行くぞ本田！」

「きゃーーーーーー！」





颯爽と滑って行った２人。

先生、楽しそう・・(笑)








「はい、次は舞原さんと＿＿＿＿＿＿＿＿」




そういえば、列ずれちゃったから私と並走する人って・・





「＿＿＿＿福室君ね。」





「「・・・へ？」」




驚いて、お互い目を合わせる。





「ま、舞原さん・・？あれ？俺進哉と・・」





ひょっとして、木暮先生・・・



やられた〜〜！






「ほら２人とも、早く行かないと後ろ詰まらせちゃうわよ」


「「は、はい」」




嘘・・福室君と一緒に滑るの・・？





「えっと、じゃああの、行きましょうか・・」





昨日の事もあって、無駄にドキドキする。





「「・・・」」




"きゃー"とも"わー"とも言わずに

黙々と雪道を駆けて行く。




早く終わって・・！







「ま、舞原さんあのs「きゃ！？」





福室君の言葉に動揺して、バランスを崩してしまった。






「舞原さ＿＿＿＿うわ！？」






この雪道・・超滑りやすい・・(泣)







「「ぎゃああああ！！」」





ズコーッ








それはまるで、ドリフのコントのように



２人同時にずっこけたのでした。

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