The after...01 あの日の夢(7) ページ44
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「「「あっはっはっはっ」」」
リビングから時折聞こえる楽しそうな笑い声。
「疎外感…。」
1人部屋で寂しく呟く。
暫くして・・
「ここ、Aちゃんの部屋?」
「宮本君!良いよ入って…」
「お邪魔しまーす」
「ごめんね妹が迷惑を…」
「いや全然(笑)」
そんな会話をしながら、初めて男の子を自分の部屋に入れる。
「彩花、変な事聞いてこなかった?」
「いやー・・そんなには聞かれなかったよ」
"そんなに"って言う事は、多少なりとも聞いたんだな!
「てか、ちゃんと片付いてんね。Aちゃんの部屋。」
「掃除したんだよ」
「あ!これ卒業式の写真じゃん懐かしー!」
それから、他愛もない思い出話に移る。
「いやぁ本当、卒業式は俺にとって一生忘れない日だわ」
「はは…」
こっちが照れ臭い。
「俺を選んでくれてありがと。」
ほら。
「_________うん」
言葉を発するまでに少しの間があったのは、
優しく唇が触れたから。
「何があっても、俺から離れるような事はない。これだけは死んでも約束するから。」
「はい…」
こんなに真正面から、私を好きだと言ってくれるのは、きっと宮本君ぐらいだよ。
そんな、正直で一途な貴方を
時間こそかかったけど、ちゃんと私も
好きにになった。
「あのね、宮本君」
貴方の事が好き。
だからこそ、今、とても怖いんです。
『好きだ、A』
あの日の声が、忘れられない自分が。
あの日の夢を、見続けている自分が。
「ん?どした?」
優しい貴方は、いつもみたいに笑って
嫌な顔1つせずに、受け入れてくれるかな。
「私、千尋さんと会うの。」
少しだけ目を見開いた宮本君。
「千尋さん・・って、黛さん?」
「うん」
「いつ?」
「・・・明日。」
本当は、黙って会いに行こうと思ってた。
ギリギリになって話そうと思ったのは
宮本君が好き、という気持ちがしっかり私の中にあるからだよ。
「Aちゃん、俺は」
「……」
「言わずもがな、Aちゃんの事信じてるから。」
「………うん」
信じてくれて、本当に良かった。
その日、家に泊まっていった宮本君の腕の中で
私はまたしても、
" あの日の夢 " を見てしまった。
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ぴこ(プロフ) - まこさん» 最後まで読んで下さりありがとうございます!!……実は、かなり以前からこの作品のパラレルワールド的な新作を考えていました。現在別の作品を更新しており、その作品が落ち着き次第、公開出来たらなと考えております。報われる黛さん、やはり見たいですよね…(>_<) (2018年6月15日 21時) (レス) id: 329a406db9 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - こんにちは。私も黛さん大好きなので一気に読ませていただきました。もう悲しくて私が立ち直れなくなるくらい文章が上手いので次回作は是非報われる黛さんが見たいです。幸薄な黛さんも魅力的でしょうが、そこをなんとか!次回作を楽しみにしております。 (2018年6月15日 11時) (レス) id: 8ab948ac9c (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - 蓮林檎さん» 応援ありがとうございました!!それぞれのキャラ達を気に入っていただけてとても嬉しいです。大好きな作品だなんて(´;ω;`)ありがとうございます!結ばれませんでしたが、夢主は黛さんをずっと思い続けているでしょう。今まで本当にありがとうございました! (2018年1月15日 14時) (レス) id: 329a406db9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮林檎 - 今までお疲れさまでした。夢主ちゃんは良い子で、クラスの人達とかも良い人で、気づいたらすごくこの作品にハマっていました!ずっと大好きな作品です!でもやっぱり黛さんが1番です(;o;)夢主ちゃん、末永くお幸せに…!これからも頑張ってください。 (2018年1月8日 20時) (レス) id: c304ec75c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - *。赤司 妃奈 。*さん» 本編に引き続き、応援ありがとうございます。お2方はちょっとしたバカップルなので楽しく書いてます(笑)宮本君は切ないんですよね・・。どう動くのか、今後にご期待下さい!黛さんもミスディレ状態ですが、勿論出てくるのでお楽しみに! (2017年11月29日 5時) (レス) id: 329a406db9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴこ | 作成日時:2017年11月19日 20時