At Home's Lover ~Extra Edition~【黛千尋】

The after...01 あの日の夢(４) ページ41

それから、宮本君宅へとお邪魔しています。





「大学生活は順調？」


「うん。親しみやすい空間で講義も面白いよ。宮本君は？」


「こっちも普通に楽しい。」




偏差値の高い工業系の学部へと進んだ宮本君。





「宮本君、大学でもモテそうだよね」


「大学"でも"って……高校時代はそんな音沙汰無しだったよー(Aちゃんばっか見てたからな)」


「否定しないんだね・・」





そりゃモテるだろうなー


この整い様に、気が利く性格だし。






「ひょっとして、焼きもち妬いてくれてる？」


「妬いてな・・いとは言えないけど」







複雑な気持ちにはなる。

まるで、いつかのあの時のような・・







「心配無用！工業大学は元々男でありふれてるし、俺には３年間粘って片思いしてきた女の子がいるから♪」







そう言い、頭をくしゃくしゃと撫でられる。








「今も昔も、俺はAちゃんだけしか見てないよ。」



「・・ありがと」








照れ臭いけど、純粋に嬉しい。

本当に宮本君は、私だけの事を想ってくれている。









「Aちゃん、やばいわ」

「え？」








突然、日本語がおかしくなった宮本君。


頭に置いていた大きな手は、私の頬に…




ドキッ…








「キスしたい」


「！」







"キス"







「う、うん・・」








大学生だというのに、中学生かというくらいお互い恥じらってしまう。



…と言うのも、



私達、そういう関係は本当にその初期段階しか進んでいないのです。



手を繋いで、数えるほどしか"キス"はしていなくて。

気持ちはまだまだ、初々しいままです！






こんな事説明している間にも、

あと数センチという距離・・・






『ﾋﾟﾖﾋﾟﾖ♪ﾋﾟﾖﾋﾟﾖ♪』




「「＿＿＿＿＿うわぁぁあ！！」」







着信音に邪魔されました・・(デジャヴ?)







「ご、ごめん、私の・・」







動揺で震える手を抑えながら、ﾋﾟﾖﾋﾟﾖうるさい自身のスマホを取り出す。







「あれ、知らない番号だ」







なんというタイミングで・・







「どうしよ・・」

「間違い電話じゃない？一応確認したら？」

「うん」








緊張の面持ちで通話ボタンを押した。


その刹那・・






「あ、切れちゃった」

「またかけ直してくるんじゃない？」







この時は、"ただの"間違い電話だと信じて疑わなかった。







「そうだね」









後々の一悶着の原因となる事は知らずに＿＿＿

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