At Home's Lover ~Extra Edition~【黛千尋】

Spin off #02 世界一の幸せ者(５) ページ17

あれから数日経った。




俺は、精神的に死んでいる。





「福室先輩、なんか最近暗すぎません？」

「気にするな。彼女と喧嘩しただけだから」

「にしても部活に支障をきたしすぎじゃ…」

「そうなんだよ、困るからやめてほしいんだよな」







陰口でも言われてんのかな。






スカッ




あ、また空振っ「福室ｫｫｫ(怒)」ﾋﾞｸｯ‼





「何日目だよ(怒)大会近いんだからいい加減にしろ！」




ザ・体育会系な部長の怒りも、


遂に沸点に達したようだった。






「お前が悪いの？彼女が悪いの？」


「俺…」


「じゃあテメエが謝りやがれ！そんでこれ以上部員に迷惑かけんな！！」





謝る・・・





「舞原さんここの所目も合わせてくれな「女かテメエは(怒)」




う"っ・・




「男のくせに何くよくよしてんだよ(怒)
いつもの調子はどこ行った？いつもはいつもでうるせーけど、
今よか見ていて百倍マシだ！！」


「キャプテン言いますねー」





いつもの俺・・





「いつもの俺って・・何だっけ？」


「ああぁめんどくさい！！マイナスにしか物を考えようとしない！！」

「彼女が怒る理由なんかわかった気がします」






今、この瞬間も・・


何人も、俺の事を嫌っていく・・・




舞原さんもいずれ・・



いや、もう嫌われてるか？





明日には、世界中が俺の敵に・・・






「怖い・・世界が・・」


「いやネガティブ過ぎるお前が１番怖いよ」

「キャプテン、これ末期ですよ」





いっそもう、




楽になってしまおうk「雨だー！」





雨？






「キャプテン雨降ってきましたよ！それも結構な！」


「しゃーねーから、今日は中止だ！！」




一目散に屋内へと走って行く部員。







「あぁ・・雨か・・」





ポタポタと、


一定のリズムの雫が、俺の身体に打ちつける。






「・・・傘、ないんだけど」




天の神様ですら、俺の味方はしてくれねーのか・・








「つめた・・」








トボトボと、寮までの道を歩く。







「福室先輩大丈夫ですか？」

「少し頭冷やした方が良いんだよ」







そうそう。


だからほっといてくれ









「はぁ・・」







こんな時、


相合い傘してくれる美少女でもいたらなー









「はい。」



「…ぇ?」









雨音が、急に籠った音に変わった。









「風邪、引くよ？」


「何で…」









俺に、傘を差してくれたのは




俺の大好きな女の子だった。

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