At Home's Lover ~Extra Edition~【黛千尋】

Spin off #02 世界一の幸せ者(２) ページ14

その日の午後。




「舞原さんっ♪」


「あ、福室君・・」




部活終わりの"彼女"に会いに行く。





「なんだデートか？」




そう言ったのは、バスケ部顧問の木暮。




「そーだよー！」

「ちょっと…」




こういう時、舞原さんは大抵照れる。


そこが可愛いたまらん。





「デートも良いけど、お前らもう受験生だぞー。日本史の課題は終わったか？」


ギクッ！





「昼どこ行くー？マック？」

「あ、ちょっと・・・せ、先生さよならー」





・・・ふぅ





「危うく木暮に捕まるところだったぜ」

「何も逃げることないのに・・」




こんな子どもじみた俺だけど、

舞原さんはついてきてくれる。





「それより、どこ行く？」

「いいよ、福室君が決めて。」




ほら。








「２番目にお待ちのお客様〜」



「舞原さん何頼む？」

「私ポテトだけでいいかな」

「了解！頼んどくから、先上がってて」

「うん」





彼女がいるって・・


最高に楽しい！！









「お待たせー」

「ありがとう。お金は…」

「いいよ、俺の奢りで。」




こういう事するの、彼氏っぽいよなー


まあ実際彼氏だし？





「ダメだよ払います。レシート見せて？」


「さっき捨てた」




何度か食事に行くようになって学んだ事。


レシートは即処分！





「また捨てたの？」

「いーじゃん、俺が払いたいんだし」

「なんだか悪い・・」





律儀だなぁ・・


そこもまた良い！！






「あ、このシェイク美味しい。」





笑顔は更に良い！！！





「やっぱこれだよなぁ〜」

「？」

「さっきまで、久光と進哉が部屋に来ててさ〜」




それから、午前中の出来事を話す。


こんな話、付き合う前じゃできたもんじゃない。


舞原さんは親身になって聞いてくれて、


すげー落ち着く。






「それで、課題は進んだの？」

「全然(笑)俺喋るか寝るかだったし。」

「・・・え？」




顔色が変わった舞原さん。




「福室君確か、学年末もギリギリで追試回避してたよね」

「あー、そうだけど「何余裕こいてるんですか？」





！？





「宮本君と向君の気遣いにも応えないなんて、見損ないました。」

「え"！？」





い、嫌な予感がする・・





「帰ります。福室君の勉強に身が入るまで、こうして会うことも出来ません！」


「舞原さん！？」




鞄を背負って、スタスタと出ていってしまった。







福室栄司、17歳。



今、



絶望的な気分です・・・

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