228_憧れだった。（雪side） ページ36
〜〜雪side〜〜
幼い頃から太った体型が災いして、クラスメイトから揶揄われることが多かった。
『夏目の家って豚丼屋なんだろ？』
『おーい！夏目ブタ〜！』
『...』
『何だよ、シカトかよ！』
母や姉妹たちと違って根暗だった私には、助けてくれる友達なんていなかった。
中学に上がった途端、それは更に悪質なものへとエスカレートして...
『おい、早く行けって』
『はー？俺がやんのー！？』
『ほら今だって！』
『...！？』
階段を下っている途中に膝裏を蹴られ、そのまま下まで転び落ちた。
『うわっ、今ので地響きなったぞ』
『お前助けてやれよー(笑)』
『......っ』
辺りに教科書が散乱したけど、
流石に痛みですぐに立ち上がることが出来なかった。
階段の上からは、ゲラゲラと嫌な笑い声。
いつもだったら、飽きるまで笑われるだけ。
でも、その日は少し違った。
『謝れよ。松尾と...夏目さんに。』
『...』
今まで無関心だった同級生の１人。
その日を境に、それが太陽のような存在へと変わった。
伊月 俊 は、私の初恋 。
ずっと陰ながら見ていたから
彼が誰を好きなのか、すぐに解った。
『��小林 A��..か。』
��...大丈夫？��
��......！��
あの日、散乱した教科書を拾ってくれた子。
��綺麗...��
��えっ？��
サラサラなストレートの髪。長い睫毛。
周りより頭一つ大きな背丈。細くて長い手足。
自分に無いものを持っているその子に、一瞬で目を奪われた。
中学生ながら、その見た目はもう既に 大人の女..
あれが成長途中だと言うなら恐ろしい。
『っ...』
伊月が彼女を好きなら、
自分がどう足掻いても敵わないと悟った。
ましてや、今の醜い体型のままなんて...
『雪、ダイエットでもするの？』
『...うん』
それでも足掻いてみようと思った。
少しでも彼女に近づけるように...
.
『伊月の事好きなの…』
『...！』
だから嬉しかった。
『......付き合おっか、俺達。』
告白が成功した時、ようやく彼女と同じ土俵に立てた気がした。
これまでの努力が、やっと報われたって...
.
.
でも...
「ずっとあんたになりたかったの。
...だけど無理。俊にとってあんたはただ１人。
代わりなんて誰にも務まらない...」
つまり、
「私はあんたに勝てないって事..」
「雪ちゃん..」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん(プロフ) - ぴこさん» やった〜！！楽しみです！ (2022年8月25日 8時) (
レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» みかんさん、最後までご愛読ありがとうございました！泣 予想を裏切る展開になったかもしれませんが、楽しんで読んでいただけたのなら幸いです！その後の話は勿論書きますよ〜(〃▽〃)あと少しですが、引き続きよろしくお願いいたします！ (2022年8月24日 21時) (レス) id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 完結したー！！伊月くん！！おめでとう！最初の頃は、宮地さんとくっついて終わりかーと思ってましたが伊月君だった！！すっごく面白い話でした！二人の後の話みたいでs( (2022年8月24日 19時) (レス) @page50 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ぴこ(プロフ) - みかんさん» 大好きだなんて、嬉しい限りです( ；∀；)誰なんですかね〜〜笑笑 予想楽しんでください！笑 (2022年8月17日 16時) (レス) @page38 id: 232f2d02b7 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ぴこさん» ありがとうございます！この作品大好きです！え？誰だろう！楽しいです！ (2022年8月15日 22時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴこ | 作成日時：2018年7月18日 2時
