05_好きじゃねーの?(宮地side) ページ6
.
「宮地的にはキツいよな?ああいう子は」
「・・・」
「つか、折角俺らが気使って話振ってやったってのにな」
「それな。相手するだけでもかったるいはああいう子。」
根拠もない噂を勝手に信じ込んで
当人に聞こえない場所で、言うだけ言って
あの女が、どれだけ相手の事を考えながら言葉を選んでいるか知りもせずに・・
「お前らちょっと見損なった。」
「「は!?」」
『マネの小林Aです…アメリカの高校に通っていました…』
『何かって・・えっと・・』
確かに、見るからに不器用そうでウジウジしていた。
けどな、
あの女なりに、お前らと打ち解けようと必死に言葉を選んでただろーが・・
「あいつはな「Aは、」
・・・・!?
「Aは…、正真正銘、うちの部の姫ですよ。」
伊月・・?
いつの間に・・
「確かに、Aは常にどこか抜けていて、バスケ経験もないので、マネージャー業務も雑用ばかりを押し付けられます。」
・・・
「だけど、どんな雑用だってAは、嫌な顔1つせず"わかった"とだけ言ってやってのけます。選手1人ひとりのメンタルケアにも一層配慮しています。下手くそなりに、ドリンクや差し入れも大量に作ってくれて、最近ようやく美味くなってきました。」
強張っていたソイツの顔が、少しずつ綻んでいく。
「そんな、一生懸命すぎるAだから…、部内では、そりゃあもう姫扱いですよ。」
最後は、思い出したように笑みを浮かべていた。
"A"
どこか愛おしそうにその名前を口にした。
「あー・・悪いな?俺ら別に、姫ちゃんディスってた訳じゃないんだ」
・・いや完璧ディスッてたろが
「ごめんなー?伊月くん?姫ちゃんの事好きなんだな。」
「「・・じゃあ、先戻るわ」」
「あ!おい!」
逃げるように、この場から退散した2人。
「悪い伊月。アイツら、後で説教しとくから。」
「いえいえ。友人の陰口聞かれて、ついカッとなってしまって、こっちこそすみません。」
"友人" か、
「伊月。時期的にも丁度良いし、あのAって子と、付き合ってやったら?」
「え?俺がですか?」
「・・何も変じゃなくね?」
余計なお世話かもしれないけど、な
「それは、無理ですよ(笑)」
何故笑う?
検討違い?
好きじゃねーのかよ?
06_気に入った(宮地side)→←04_会話(宮地side)
68人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時