42_カップル ページ43
今日はバイトの日だった。
新しいバイト先は、居酒屋。
「宮地君と小林さんって、付き合ってるの?」
休憩に入ると先輩達によく尋ねられる事。
「ち、違います・・」
「えー!?」
「でも聞いたよ。クリスマスデートするんでしょ?」
「絶対告白されるから!メイクと下着は万全にね!」
「は、はい・・」←既に告白されてる
クリスマス・・告白・・
「Aっ」
「宮地さん!」
先輩達が表に出て行った瞬間をついたかのようにやって来た宮地さん。
いつの間にか呼び捨てで呼ばれるようになった。
「さっきの話し声、丸聞こえだったんだけど」
「先輩達声大きいですからね(笑)」
ルックスの良い彼は、単体だけでも先輩達の噂の的になった。
「いちいち否定すんの、煩わしいよな」
「いえ!」
この宮地さんの複雑そうな顔・・
「クリスマスまで、待って欲しいんだ。完全俺のワガママだけど・・」
「待ちますよ。」
そう、私達は
"恋人未満"であっても、
"恋人予定"なのだ。
「てか今日上がり時間一緒だよな?」
「はい」
「送ってくから、終わったら待ってろ」
「わかりました」
今だって、本当の彼女になっているような感覚にしかならない。
わざわざクリスマスまで持ち越すのに、何か意味があるのかな?
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「すいませんっ、遅くなりました」
「いや別に。」
「じゃあ、帰り・・あれっ?」
店内にいる時は気がつかなかったけど、
外は大粒の雨が降っていた。
「嘘だろ…傘ねーんだけど…」
スッ
「折り畳み、宮地さんに貸します。」
「おー、サンキュ」
良かった、常備しておいて。
「___それでな、高尾が「キャア!」
他愛もない会話をしながら送ってもらっていると、
前方にいた女の人の悲鳴(?)のような声が・・
「あの、大丈夫で「どうしたお前、大丈夫?」
声をかけようとした刹那、
傘で姿が隠れていた男の人が、彼女に寄り添った。
彼氏・・かな。
「すいません、驚かせて。ヒールで躓いただけみたいなんで(笑)」
「は、はい・・」
優しそうな彼氏・・
「最悪〜雨だし〜!」
「そんな高いヒール履くからだろー?」
なんか、良いな・・ああいうの。
「A?」
「あ、すいません!」
私も宮地さんと、
あんなカップルになれるかな・・
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時