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29_迫る気配(宮地side) ページ30

ガチャッ




……って、鍵の開く音が聞こえたが気のせいか?







ズシッ…ズシッ…





「ひ!?」




小さく悲鳴をあげたのは、紛れもない彼女。









マジかよ!?!!





「ど、どどどどうしよう・・!」




今にも泣き出しそうな声をあげ、

震えながら俺と伊月の腕にしがみつく彼女。






「ど、どうしようも何も、現在進行形でこっち来てんだから一発やるしか」


「バ、バカじゃないですか!?暴力で解決なんて」


「バカ!?お前、年上に向かってバカっつったな!?」





緊急事態が目前に迫る焦りから、訳のわからない会話をする俺と彼女。






「Aも宮地さんも、ひとまず落ち着いて」


「「こんな状況で落ち着いていられる お前/俊 が1番怖いよ!!」」





その間にも、奴の足音は大きくなる一方で






「もうやるしかねーな。拳構えてろよ伊月」


「ダメ!暴力ダメ!絶対!」


「痛ッ…お前、どさくさ紛れに足を_____」





足を踏みやがったな!?


言おうとしたが、言葉が出なかった。


彼女が俺に抱き着いているが、今はそんな事実に浮かれていられない。






彼女の部屋のドアノブがゆっくりと下り、


キィ…と、音をたてて開かれたドア。








そこに、立っていたのは・・・








「妹に何してるの?キミ。」


「・・!?」









妹!?

何言ってんだ、このストーカー。







すると、







「お兄ちゃん・・」


「!?」




__________________






「ごめんごめん、合鍵で入ってAにサプライズしてやろうと思って(笑)」





腰を下ろして10分以上は、収集がつかなかった。





「お兄ちゃん・・紛らわしい事は止めてよね」

「ははは(笑)でもまさか、Aがストーカーの被害に遭ってて、このイケメン君の家に寝泊まりする事になってるなんて、ビックリしたよ。」






彼女に、兄がいるという新事実が発覚した。






「俊クン、見ない間に大人っぽくなったね」


「お久しぶりです。」






しかし、何だ?


この顔・・・


初めて見る顔じゃないような・・?








「_______あぁ!!」


「宮地さん、どうしたんですか?」






どうしたんですか?じゃねーだろ!!







「こ・・小林 凌真・・?」


「そうだよー?」







何故・・この男が・・








「あ、そっか。僕コッチじゃ有名人なのか」









小林A



またしても俺は、お前に驚かされたぞ。

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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時

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