20_ライバル(宮地side) ページ21
.
先程の笑みが、頭から離れない。
現在彼女は、同じ大学の友達同士で固まっている。
「次、伊月さん達試合っすね」
「あぁ。」
こちらへやって来た高尾。
「にしても宮地サン、気苦労絶えないんじゃないですか?」
「何がだよ?」
「見た感じ、ライバル相当多そうだし。」
ラ、ライバル?
急に何を言い出すんだと思いつつ、
高尾が「ほら、あっこ」と俺の後方を一瞥したため、視線を追って振り返った。
「姫、この試合全勝したら俺とデートして?」
「嫌です。」
あぁ・・
「川端、だっけ」
「話によると"K大バスケ部の姫"の名付け親は彼なんだとか。」
「あぁ、聞いたわ。」
酔いつぶれてた際に言ってたな。
同時に、告られてフッたという事も聞いた。
「凄いっすよねAさん、モテまくりじゃないすか」
え、そうなの?
「あんまそういう感じしねーんだけど」
「ウッソ〜、宮地サン、お目が高いんすね。」
・・嫌味か(怒)
「まっ、俺的にAさん、どっか掴めない所もあるから・・いくら宮地サンといえ、難攻不落なんじゃないすか?彼女は。」
「まあ・・確かにな。」
あの合コンで、
俺が落としに行くどころか、
結果としては逆に俺が彼女に落とされた。
先程だって、何気ない彼女の言動1つひとつに翻弄されて。
ありゃ、相当難攻不落な訳だ。
「なんで、俺も出来る限りのサポートはしますからねっ♪」
「は?」
すると、
「Aさーん!こっちで一緒に観戦しませんかー?」
「!?」
サポートって・・強引すぎだろ!!
「あっ、うん!」
それでも笑顔で駆け寄って来る彼女に、
俺は更にハマッて行く。
「雪ちゃん、もう紹介してもらった?」
「した。」
・・・いや、おい。
「ジー……」
「……(怒)」
何故、この女を連れて来た!?
「どうしたんすか、宮地さん?」
「……別に」
初対面の俺を、一方的に凝視してくるのが気に食わないだけだ。
「雪ちゃんは、俊がバスケしてる所見るの、久々じゃない?」
「……」
そしてマジで無愛想な女だな・・
『間もなく、2試合目を始めまーす』
食わない態度が目に障ったが、
試合開始の合図とともに、観戦に集中した。
・・はずだった。
「え、嘘でしょ・・」
.
「タツヤ?」
21_" 氷室辰也 " (宮地side)→←19_可愛いな(宮地side)
68人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時