01_K大バスケ部の姫(宮地side) ページ2
ひょんな事から合コンの話が持ち上がった。
「は?お姫様だ?」
「いやマジなんですって!ここらじゃちょっとした有名人なんですよ!」
S大バスケ部に入部して3年。
高校時代からのもはや腐れ縁になってきた後輩の高尾和成。
「通称『K大バスケ部の姫』。今度の飲み会でその人も参加するって、伊月さんに聞いたんっすよねー」
"どんだけ可愛い人なんだろーなー"と、
両手を後頭部に組み、半ばふざけたような笑顔を俺に見せつける。
「で、そのお姫様とやらが何だ?お前が次に狙う相手か?あ?」
「うわちょっと顔怖いですってー。
って、俺じゃなくてー、今回の合コンの主役は他でもない、宮地さんっしょ!」
高尾のムカつく程チャラけた声が、現在いる体育館内に響き、
練習していた他の連中も悪戯な笑みを浮かべて此方に歩み寄る。
「宮地!今回だけだからな!」
「何でもそのお姫様、フリーなんだって」
「大チャンスを前に悔しいが、今回ばかりはお前に譲ってやるよ」
「「「 K大バスケ部の姫! 」」」
都合良い時だけ無駄に息合わせやがって・・
「ちょっと待て、俺はそのK大との合コンは行くつもりもないし興味すら湧かないぞ」
「えー?宮地さんも楽しみにしてるって、俺伊月さんに電話で行っちゃったんすけど」
「誰がいつそんな寝言行った高尾アァ?」
コイツ、マジで締める
「まあそんなムキになるなよ!別に、お姫様なんて気にしなくたって良いんだって!」
「そーそー。ほら、合コンで気分転換すりゃあ、傷口も癒えるだろ?」
傷口って・・
「めんどくせーな!行けば良いんだろ行けば!!」
「「「「わーい!!宮地(さん)大好き〜!!」」」」
コイツら全員締める……(怒)
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「ハーァ…」
学生寮のアパートに帰宅して、
重い身体をベッドに預ける。
『清志の部屋、意外とシンプルなんだね〜』
あぁー、クソ。
元カノとの記憶が・・
『ごめん・・なんか私達・・合わなくない?』
「______クソくらえクソ女!!」
認める。これは八つ当たりだ。
つい先日、別れを告げられたばかりなもんだから、しゃーない。
「何が『お姫様』だ…」
失恋直後開催される合コンは、
親切を通り越してもはや嫌がらせだ。
マジで乗り気ないわ…
あー、ダルい。
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作者名:ぴこ | 作成日時:2018年1月17日 3時