ツンデレ愛妻家【黛千尋】

#26 あの写真 ページ27

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あれはの去年の５月。


社会人２年目の俺は、ある些細な事から一度だけ、上司と衝突しかけていた。




『もっかい言ってみろ、黛。』

『はい。何度も言いますが、こんな中身の無いクソゲ『どこがだよ！？』




当然その場の空気は一瞬で凍り付いた。

俺も後からその発言を後悔し、左遷を覚悟していた。



すると、




『あはは、黛さん潔すぎですよね〜笑』




その空気をまた一瞬で変えたのが、当時入社１年目の塩下だった。




『お前…山下だっけ』

『…塩下です』




いちいち上司の顔色伺って媚び売る姿は今でも鼻につくが、




『やっぱ商品企画課にこういう人1人は必要っすよね〜』

『塩下なぁ…』




あの時は、マジで命救われたんだったな…








そうだ。


良い奴だよ、お前は。


俺みたいに捻くれてないし。







だが頼む、嫁だけは「ちょ、ストップストップ！！」






世の女子は、こういう男が良いんだろう。


俺みたいなのより、よっぽど魅力的だからな。


と、言うことは嫁も…






「あの、勝手にモノローグで語らないでくださいよ。読者も誤解するでしょうが」

「モノ…？読者？」

「それは良いですから！」







前代未聞だな、こんな事。


そりゃ、あんだけ可愛けりゃ男が蝿のように集るのも無理ないが


まさかここに来て、


こんな強敵が現れようとは。







「お前はモテるだろうから、寄って来た女で遊んどけ。
ハードル上げるなんて勿体ないぞ。」


「より最低な男に成り下がってません俺？
てか、ここで説得も面倒だから今日黛さん家行ってもいいですか？」


「は？家来るの？」


「すぐ帰りますから！奥さんにも弁明してもらわないと」


「とか言って、嫁と会う事目的「何この人めんどくさい！」







まあ良い。


事が解決すれば、ここ数日分の俺の安息も戻って来るだろう。









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.









「千尋さんお帰りなさ…え？塩下さん？？」

「え、俺来る事奥さんに伝えてなかったんすか！？」

「急だと都合悪いのか」

「いや、普通に悪いですってなんか…」

「と、とりあえず上がってください！」








さて、双方の口から潔白を…








「＿＿＿＿＿ですからねAさん、どれだけ旦那さん一筋かって証明を…」


「あ、あの写真を見せろって事ですか！？」


「…？」





あの写真…？







「大丈夫、(一通り隈なく見た)俺がいるから」






「！！」









塩下、テメエやっぱり…！

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