ツンデレ愛妻家【黛千尋】

#24 一通の着信 ページ25

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塩下の理想のタイプは、俺の嫁らしい。





「あっ千尋さん遅くなりました。すぐご飯作りますね！」





帰宅後暫くして、玄関からせわしなくやって来た嫁。







「いい、」

「！」




後ろから覆い被さるように、エプロンを身に着けようとするその手を止めた。





「…疲れてんだろ。飯、風呂の後でいいから。」

「(や、優しい…！) はっ、はい！ではお言葉に甘えて」

「その間テキトーに飯作っとく。」

「わぁ！千尋さん作ってくれるの久しぶり！」

「いいから、風呂入れ。」





料理は、結婚後それなりに勉強した方だ。


昨夜は揚げ物だったし、今晩はヘルシー志向でいこうか。


あ、卵買ってるなら卵料理一品でも…





「楽しみにしてますねっ」

「っ！」




ガラッと脱衣所の扉を開けて微笑む嫁。

まだ入ってなかったんかい、風呂。


…てか、何だアレ。

控えめに言って可愛すぎんだろ。




クソ、どうせ今夜もお預けかと思うと辛いぜ…




……何かツッコめよ読者。

((塩下(ツッコみ)の不在))






『ﾋﾟﾖﾋﾟﾖﾋﾟﾖ♪ﾋﾟﾖﾋﾟﾖﾋﾟﾖ♪』


わ、ビビった。

…って、このひよこの着信音は嫁のケータイか。




「おい、電話鳴ってるぞ」




まだ脱衣所にいるであろう嫁に呼びかける。




「あー、誰からですかー？」

「さぁ？見るぞ。」




何の気なく、傍らに放置してあったスマホを手に取ろうと、





「＿＿＿＿＿待っ！」






…したのも束の間、





「ぇ…」

「あっ…いや、その」





今度は凄い勢いで脱衣所の扉を開け、俺よりそのスマホを手に取った嫁。


…まるで、その画面を俺に見られまいとするように。





「…出たら？」

「っ！は、はい」





てか半裸って、

俺の前だから良いけど、半裸って。





「会社の人からでした。後で折り返すよう言ったので」

「大丈夫？」

「はい、急用とかじゃ無さそうだったので。」

「…そ。」

「…」




あれ、この間なんかデジャヴ。


そういやあん時も、こいつ咄嗟にケータイ隠して…





「見ました…よね、」

「へ？」

「スマホの…画面…」






は？



え？



え、なんで






「いや、そもそも見えなかったし…」






何だよコレ。


まるで何か、“隠し事”でもあるかのような…






「！…な、何でもないですっ」

「！？」






いや、マジ？







「…」







いっそ何も勘ぐるな、俺。



さっき見た嫁の下着の事だけ考えときゃいいんだ…

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