3話 ページ4
ウツキ｢お前の計画を俺に教えてくれたら、なってやるよ｣
俺はそういった後に邪怨の傍に近づき、
｢お前の求める、
と言い、ニヤッと笑みを浮かべた。
邪怨｢良いだろう。教えてやるよ。俺の計画を…｣
邪怨｢俺は大昔、妖魔界の近衛騎士だった｣
ウツキ｢近衛騎士？｣
邪怨｢近衛騎士ってのは、位の高い王族の専属の騎士の事だ｣
ウツキ｢なるほど｣
邪怨｢俺は主の元で、近衛騎士として働いていた。その仕事は俺にとっては生き甲斐だった｣
ウツキ｢それのどこに復讐する点がある？平和じゃないか｣
邪怨｢いや、この先が重要なんだ。
俺は裏切られたんだ。
信頼していた、たった1人の主に……｣
ウツキ｢裏切られた？｣
俺は突如出てきた物騒な言葉に、眉をひそめた。
邪怨｢そうだ。俺は騙されたんだ。主と、同僚に…｣
ウツキ｢同僚にも？｣
俺は段々此奴が可哀想に思えてきた。
自分が信頼していた者に突然裏切られる。
それは、とてつもなく残酷な事だろう。
邪怨｢だから、俺は復讐するんだ。俺は信頼していたのに、その信頼をあっさり壊した彼奴らに…！｣
俺は目を閉じて考えた。
復讐という言葉は好きではない。
けれど、裏切りという言葉はもっと嫌いだ。
ウツキ｢いいよ。協力してやっても｣
邪怨｢そうか。お前ならそう言ってくれると信じていた｣
ウツキ｢けど、具体的に何をするんだ？｣
邪怨｢この世界を支配して、俺達の物にするんだ。勿論、成功した暁には、お前にも世界の半分を分けてやるよ｣
ウツキ｢俺は別に世界が欲しいわけじゃないけどな。けどまぁ、その計画、面白そうだし｣
邪怨｢そうだろう。じゃあ、約束通りお前には好きな力をやろう。どんな力を望む？｣
ウツキ｢俺の望む力、か……｣
正直、俺に望むものなんてない。
ウツキ｢俺は特に欲しいものはない｣
邪怨｢そうか。じゃあ、とりあえずこれをやろう｣
そう言うと俺の腕に黒い何かが現れた。
ウツキ｢何だ、これは…！｣
邪怨｢それは
ウツキ｢友情の、証……｣
邪怨｢あぁ、そうだ。この中に、俺の闇の妖気を入れてある。これでお前は様々な力が使えるようになる｣
ウツキ｢例えば？｣
邪怨｢そうだな。空中飛行に瞬間移動、それから妖術も使えるぞ。身体能力も上がる｣
ウツキ｢ふっ…有能だな｣
邪怨｢そうだろ。さぁ、俺達の計画の始まりだ…！｣
ウツキ｢あぁ。行くぜ、相棒……｣
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