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【二話】『いつも通りじゃないって言ってる間にいつも通りになってる』 ページ3

「ね、ねぇおそ松兄さん!なんで僕達こんなところにいるの?」


静かな部屋で、次に口を開いたのはピンクのパーカーを着た青年だった。
恐らく、この部屋の異様さを5人よりも感じ取ったのだろう。
目の端には涙が浮かんでおり、今にも泣きそうに震えている。

「いやトド松。そんなの俺に言われてもな……… 。」

おそ松兄さん、と呼ばれた赤いパーカーを着た青年はだるそうな顔をした。
おそ松は考え込んでいたが、しばらくして、再びおそ松が声を上げる。

「あ、じゃあ多分自分のせいですって心当たりある奴いるー?」

呆れた顔を浮かべるチョロ松にトド松。

「………いるか?そう思うやつ。」
「え、俺はいっぱいいすぎて誰だかわかんねー。」
「だったらおそ松兄さんが悪いんじゃん!」
「まぁトド松。そんなに怒らないで………」
「おそ松兄さんのせいで僕達までこんな酷い目にあってるんだよ!?」

チョロ松がトド松をなだめようとするも、逆効果になったらしい。
トド松はギャーギャー騒ぎ出してしまっている。


「待て待てbrother達。落ち着くんだ、OK?」

声を出したのは、青いパーカーを着ている青年だ。
部屋にいた全員の動きが止まり、その青年を見つめる。
………若干冷たい目をしている者が何人かいるが。
真っ黒なサングラスをゆっくりと外し、言葉を紡ぐ。

「こんな時こそ、全員で協力するんだ。だから」


「ねー!もう行こ?ドアあるじゃん!帰ろーよー!」
「………開かないよー!このドアガッチガチやぞ!」
「十四松、ふざけてないでもう少し真面目に言ってよ」
「うわー!出してくれー!」
「おそ松兄さんもふざけないでよ!こんな時に………」

声をかき消すように、またバタバタと騒ぎ出す5人。

「………え?」


「………ヘっ………」

それを見て、ニヤッと笑う声が一つだけあった。

【三話】『閉じこめた犯人は』→←【一話】『in知らない場所』



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あおい - あ、もう終わりですか?面白かったですよ!頑張ってください! (2018年5月1日 20時) (レス) id: 91cb202eaf (このIDを非表示/違反報告)
あや - すごく面白いですね!!続き楽しみにしてます! (2017年4月24日 19時) (レス) id: bcd39f94a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狂兎 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年1月14日 23時

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