+ 拾捌 + ページ19
×
教室は凍てつくように静かな空気感に包まれていた 。
特進のマドンナである桜子がみやびの救出に向かった為である 。
スクリーンには愛しい桜子とクラスメイトのみやび 、 それからガタイのいい女子生徒3人組 。
《 みやびさんに謝ってくださいませ 》
「 はぁ ! ? あんま舐めたこと言ってんじゃねぇぞ ! 」
《 誠意を見せてくださるのならお許し致します 》
「 だぁかぁらぁ ! ! ウチら悪くねぇし ! ! なんでテメェに許されなきゃいけねぇわけ ! ? 」
「 その女が旗印戦に割り込んだのが
倒れ込む大切な友達を抱き起こし 、 勇敢にも一歩前に出た桜子は真顔で静かに言った 。
傍にいるみやびは気付く 。 彼女は怒っているのだと 。
喚き散らす3人の女子生徒は毅然とした態度を取る桜子に恐れを為し 、 ついに彼女の華奢な細腕を掴んで戸棚へと強く押し付けた 。
《 テメェも邪魔すんなら容赦しねぇぞ ! ! 》
《 おい ! 聞いてんのか ! 》
《 い 、 っ …… 》
闇よりも深い漆黒の髪を乱暴に引かれ 、 紛うことなき美しい桜子の顔が苦痛に歪む 。
その光景を目にした特進ではバタバタと椅子が倒れるが直後 、 桜子の表情を見て動きを止めた 。
彼女は微笑んだ 。 いつもの如き天使のような笑みだ 。
本郷桜子という少女は守られるべき存在だ 。
不良校における圧倒的な弱者であり 、 彼女自身も争いを好まない平和主義者 。
かの稀有に美しい少女は
強い正義感と意志を持つ 、 か弱き乙女
─── … 否 、 誰も彼女の本質を理解していない 。
身に降る火の粉に疎く弱いものの 、 他者を襲う不条理を許さない圧倒的な利他主義者 。
敢えて言うなら彼女は 、 忠実の本郷桜子そのものだ 。
この世の美を超越した可憐な桜子の微笑に女子生徒達は激昂し 、 その柔い頬に平手打ちした 。
刹那 、 彼女を張った女子生徒が転がり悶え始める 。
《 テメェ ! 何しやがった ! 》
《 罪なき者を痛ぶれば必ず自分に返ってくるのです 》
強い正義感と意志を秘めた瞳で女子生徒達を射抜き 、 そう言いきった桜子はスクリーン上から姿を消した 。
116人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あめ??(プロフ) - 続きが見たいです!是非続編でもいいので、作っていただけると嬉しいです! (5月7日 23時) (レス) @page27 id: 3d269f0d91 (このIDを非表示/違反報告)
静波紅音 - これで終わりなんて寂しすぎます!!!続きが見たいです!! (9月25日 9時) (レス) @page27 id: 664202b07f (このIDを非表示/違反報告)
SugaR?(プロフ) - とっても面白いはなしで大好きです!頑張ってください楽しみにしてます!! (2022年10月2日 17時) (レス) @page11 id: 0fe5d9de4b (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2022年9月26日 21時) (レス) @page3 id: b848bb5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:十日夜香耶 | 作成日時:2022年9月25日 0時