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#.A・カレーニナ
お父様は、私を可愛がってくれる。
けれどそれと同時に、苦しそうに見えた。
お兄様も、私をいっぱい可愛いがってくれた。
でも、お兄様とはしばらく会っていない。戦争だから。
「....、_____!」
私は邸を抜け出し、______の元へ遊びにいった。
お父様は女の私が勉学に過敏なことを嫌う。
仏語と英語は教師をつけてくれたけど、
あとはバレエや、ピアノ、刺繍にヴァイオリン。
私はもっと違うことをしたいの!
お父様のご本を盗み見て、____に、様々なことを教えて貰うの。
なぜ女性はお嫁さんになるのが務めなの?
女性は知りたいことを学んじゃだめなの?
でも_____、私は.....____。
音色がした。
静寂を引き立てる、低く威厳のある、音色。
「.....貴方が
せめて
暖かな光が窓から射し込むこの部屋は、
随分と豪華で、気品のある部屋だった。
西洋アンティークの家具は寒色系でまとめられ、豪華であるはずなのに、それは目にうるさくない、品のある落ち着きだ。
ドストエフスキーは、そんな空間には異質な、簡素な木材の椅子に座っていた。
「おや、小夜曲はお嫌いで?
......おはようございます。デイム・A。」
「....いえ、好きよ。
でも今聞きたいのは小夜曲や夜想曲よりも、
Aの他に、多くの者が死んだ。
彼らの主を失脚させようとした私の言い分など、偽善と同情にまみれた醜いものだ。
...それでも、命の代償はそれ相応。弔いは私が生きていくと共にあることだ。
「やはり貴女は慈悲深い。」
「貴方に比べれば、どんな極悪人でも慈悲深いのでは?」
いかにも楽しいと言いたげにニコニコと笑みを浮かべるドストエフスキーに、私は思わず眉をひそめた。
なぜ、私をここへ連れてきた?
目的は何?
財産?爵位?領地?人質?...それとも情報?
わからない。
それ相応の利用価値が私には存在するが、彼が高いリスクを犯してまで、私を連れてきた意味がわからなかった。
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津島 紫(元.朱晴)(プロフ) - 狸古参さん» 恐縮です、ありがとうございます。これからも頑張りたいと思います!名前の方ですが、私太宰治さんの作風が大好きで勝手ながら、、後私の縁のある神社の名前が偶然津島であったので、おかりしました。 (2019年7月13日 15時) (レス) id: eb415dbbf6 (このIDを非表示/違反報告)
津島 紫(元.朱晴)(プロフ) - テクテク道化師さん» ありがとうございます。これからも楽しんで頂ければ幸いです! (2019年7月13日 15時) (レス) id: eb415dbbf6 (このIDを非表示/違反報告)
狸古参(プロフ) - なんかもう、好きです。なんで伸びないんでしょうね?真剣にそう思うほどの名作だと思います。お忙しいとは思いますが、どうかご執筆の方宜しく御願い致します。…所でお名前なんですが、太宰治さんの本名の津島修治から取っているのでしょうか? (2019年7月13日 13時) (レス) id: 8c91947ba7 (このIDを非表示/違反報告)
テクテク道化師(プロフ) - 不思議な世界観で書かれていてとっても面白かったです! (2019年6月7日 16時) (レス) id: 6e13862324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:津島 紫(元.朱晴) | 作成日時:2019年6月6日 22時