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下剋上その5 ページ6

『甚壱様。お夕食を持って参りました』

「…そうか」



いやもうちょっと反応しろ。可愛い幼女がテメェみたいな野郎にお食事を持ってきて差しあげたんだぞ?!
手が滑った〜、っつってテメェの野獣みたいな顔面味噌汁まみれにしてやろうか。


そんな心の声はおくびにも出さず、私は甚壱サァンの文机に夕食を置く。ちょっと冷めちゃったけど、甚壱サァン味覚鈍そうだし大丈夫っしょ。



「…これはなんだ」



そう言って甚壱サァンが手に取ったのは、お盆の上に乗っていた例の紙。
もし読んだのバレたらどうしよう、と背筋が冷えたが、それには気付いていないようだった。



『そちらは扇様から甚壱様にお渡しするよう申しつかりました』

「扇が?」

『はい』



ふむ、と顎に手を当てる甚壱サァン。
そういえば心做しかナイスガイくんと顔が似ている気がする。…いや、そうでもないか?甚壱サァンはナイスガイくんより顔は良くないわ。

それでは失礼します、と言って私は甚壱サァンの部屋を出る。
甚壱サァンは今はぶっちゃけ興味無い。そんなことより作戦を練る方が大事だ。


待ってろよあのクソ野郎共!!絶対ボコしてやるからな!!!!



「A。突っ立ってないで道場の掃除をしてきなさい」

『えっ?!私一人でですか?!』



思わずそう言うと、いつも通りピシャリ、とビンタが飛んできたので、結局私はしぶしぶ道場の掃除をやらされる羽目になった。クソが。












「────おいガキ、こんな時間に呼び出しといて何の用だ」

『うわ、ホントに来てくれるとは思わなかった』

「オマエが呼んだんだろ」



そうしてあれから十数日後。私は深夜の十一時を回る頃に、ナイスガイくんを訓練用の森の近くへ呼び出していた。


彼と知り合ってから初めて知ったのだが、ナイスガイくんは呪力が無いからか、私と同じで雑用係なのだそう。割と筋骨隆々に見えるので、普通に躯倶留隊に所属していると思っていた。…いや雑用係ならどっからその筋肉来たんだよ。

でも顔がいいから女中たちに気に入られているらしく、扱き使われることは少ないようだ。羨ましい。



『…おっ、キタキタ!』

「あ?」



私は急いで茂みに隠れ、ナイスガイくんの着流しの裾を引っ張って同じように隠れさせる。



「おい、一体何すんだよ」

『ほら、あっちみて』

「は?」



私が指さした方向をナイスガイくんは見ると、訝しむように首を傾げた。

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アリス(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです( ˙˘˙ ) (2022年3月10日 23時) (レス) @page14 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - ボーダーラインさん» そう言って貰えて嬉しいです!応援ありがとうございます!頑張ります! (2022年3月10日 17時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - キャプションで食いついて一気に拝読させて頂きました。あー主人公の性格好き!「下剋上して♡」の団扇とペンラを振りながら読んでしまった…。甚爾に最後で爆弾を投下していくスタイル、いいですねぇ。五条との邂逅も気になる〜!ペンラ振って更新待ってます!! (2022年3月10日 16時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます!がんばります! (2022年3月9日 18時) (レス) id: b5fe911f2a (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 更新待ってます!! (2022年3月9日 5時) (レス) @page8 id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蝋燭 | 作成日時:2022年3月7日 21時

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