【nmmn】ひきこもりガチ勢は認知しない【男主】

ふわりふらり ページ47

天月くんが買い出しに行って早十数分。

ついさっき彼から必要そうなものを他にも買ってくるとラインが来たので、恐らくまだ帰ってこない。




「え、つら,,,」




他人(ひと)様の、それも言ってしまえば推し、



の家で、ひとり。



そんな状況で、僕は今何処にいるでしょうか!!!!!!!!






答えは!!!!!!!!


ふぃどるさんちの！リビングの床!!!!!!!!


無理だよ！！僕にはあまちゃんみたいにソファに座るなんてできない！！！



はーーーーなんかほーむしっくぅ,,,せかいしっくぅ,,,

駄目だ緊張しすぎて変になってきた。




あー、いろぽてに会いたい、なんて考えていると、




ふわり




と、懐かしい匂い。



あ、これ


「畳の、匂い？」


この家は和室まであるのだろうか。

いや、これだけでかい部屋なんだからあってもおかしくないけども。



顔をあげて回りをみると、少し空いた引き戸が。


あ、あの部屋、あまちゃんが中に入らず覗いてからすぐ閉めた部屋だ。



全く、ちゃんと閉めないと駄目じゃないか。


閉めにいこうと立ち上がって、引き戸に近づく。


濃くなる懐かしい匂い。


覗いてみると、やはりそこは四畳ほどの和室で。


懐かしい匂いに、ふらりふらりと、誘(いざな)われるように足を踏み入れた。


不思議なことに、失礼だの緊張だのは消えてしまって。


畳の上に座り込む。畳の目に手を滑らせる。


そのまま、ぼんやりと部屋を見回す。


殆んど何もない部屋で、床の間の花瓶に、仏花に似た花々が飾られている。



そして目についた、やけに背の高い筒と、布で覆われ飾り紐が結ばれている緩くカーブのかかった棒のような,,,


あ、あれ、見たことある。資料集とかで。




「もしかして、弓,,,？」

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