【カゲプロ】パステル少女は夢を見る。

じゅうななかいゆめみた ページ19

キドside



「A？入るぞ」



夕食の準備が整い、俺はAを呼び出しに扉をたたいた。



しかし、反応はない。…まあ、いつものことだが。



「おーい、A」



ゆっくりと扉を開ける。



きっとまだ寝ているんだろう、と思っていた俺はドアの向こうで起きている事を想像もしていなかった。



「…A！？」



なんとAは、なにかに怯えるように震え、呼吸もおかしかった。



「お、おい！どうした！」



「…っは……は…」



か細く呼吸を繰り返しながら、胸元を押さえて苦しそうにしているAに俺は意識を確認した。




「大丈夫か、わかるか？」



だめだ、反応がない。



普段の眠そうな目からは想像もできないくらいに目を見開き、汗を頬に伝わせている。



おちつかせるために、机の上に置いてあったいちごみるくを飲ませて、優しくベッドに横にさせると、だんだん呼吸が整ってきた。



「…ふ…キド…？」



か弱い声をしぼりだして、きつそうに顔をしかめたAは、ろうそくの炎がふっと消えるように目を閉ざした。

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