第117Q ページ41
さつきからの電話で試合開始時間が迫っていることに気づいた。
青峰は、私に謝って直ぐに行ってしまった。
取り残された私は、しばらく放心状態だった。
「A?」
今度私を呼んだのは、伊月先輩だった。
伊「どうしたの、座り込んじゃって」
あまりの出来事に力尽きた私は階段に座ってしまっていたらしい。
『あ、いえ、なんでもないです・・・』
伊「そう?試合もう始まるみたいだから行くよ」
慌てて立ち上がった私は、先輩の隣まで走った。
なんだか、誰かに言ったら気持ちが楽になる気がしたんだ。
『あの、先輩って、好きな人いますか』
伊「えっ、急に恋愛話!?」
『いえ!すみません!そんなつもりは!!』
瞬間的に謝ったが、伊月先輩はカラッとした笑い声をあげただけだった。
伊「好きな人か〜、今はいないよ」
今は・・・?
伊「昔はいたんだけど・・・告ったら振られちゃった」
そうなんですね・・・
『あの、好きって、どんな感情ですか・・・?』
そこで、昔、赤司に同じことを聞いたのを思い出した。
伊「まぁ、人によるとは思うけどさ、極論、性的なことが出来るかどうかじゃね?」
『性て・・・!!?』
答えはやはり赤司と同じだった。
伊「いくら綺麗事並べてもさ、友達にもある程度の好意はあるもんじゃん。だから、境界線があるならそこかなって」
先輩・・・
『ひん曲がってますね・・・』
伊「聞いてきたのはAだろっ!!?」
突っかかってきた先輩に、クスクスと笑うと、先輩に睨まれた。
伊「真面目に話すとさ」
さっきは真面目じゃなかったんですか。
伊「好きかもしれないって思った後からその感情って大きくなるんだよ。全部後付なんだ。
でも、次から次へと溢れて、消えてくれない。
誰もがこれが好きなのかなって不安だし、分からない。
でもやっぱり心は正直だから。そのうち、その人だけが特別だったんだって気づくよ。
それが早いか遅いかは本人次第だけど。」
伊月先輩は前だけを見てそう言った。
『凄いですね先輩って・・・』
伊「伊達に1年長く生きてないからね?』
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涸萌佳雨(プロフ) - ミオさん» コメントありがとうございます(՞ . .՞) 近日公開ですので、今しばらくお待ちください!話の内容をどこまでにするかで題名を検討中なのです(*´ `*) 早く皆様に公開できるように頑張りますね! (2022年11月23日 11時) (レス) id: 2f583b5d8c (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - パスワードってなんですか( ; ; ) (2022年11月22日 22時) (レス) @page36 id: 7d809c8ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/
作成日時:2021年9月23日 19時