どうやら私はさつきとの約束を破ることになりそうです。【黒子のバスケ】

第58Q ページ22

火神君がテツヤからボールをかっさらって点数を決めた。

結果は予想通り、火神君の圧勝状態。

くっそ弱ええ！！！っと言いたげな顔をしている火神君。



私は彼のプレーを見ていて、少し思ったことがある。


彼のプレーは荒削りだ。才能(ｾﾝｽ)任せのギラギラしたプレー。やったらできました、みたいな感じがする。
いや、それは悪い事じゃないし、むしろ、こういう人が卵なんだろうけど。

今のままじゃ、絶対に勝てない。あいつらには、手も足も･･･出るかもしれないけど、自滅するだけだ。

きっと火神君の武器は跳躍(ｼﾞｬﾝﾌﾟ)力になる。

でも、その力を支えきれるほどの体がまだできてない。

それにもっと頭を使って周りを見て考えてプレーできないと、チームがダメになる。



そんなの、今までと同じだよ･･･。

もう、二度と見たくないって思ってたのに、これまでは何もできなかったから･･･、今回こそは･･･。




考え込んでいて気づかなかったが、顔を上げると火神君が帰ろうとしていることに気づいた！



『あ、待って！！』

私は慌てて止める




『私とも、やってかない？1対1(ﾜﾝonﾜﾝ)』



火「は？？？？」






火神君は最初、力を抜いてくれてたけど、の中で本気に近い力を出してきた。多分、それは私の方が3点ほどリードしてたからだと思う。

本気の高校1年に勝てるわけはないんだけど、何とか、逃げ切って勝てた。




火「嘘だろ、A、普通に強くね？」


伊達にバスケやってないからね。


やっぱり、実際やってみて気づいたよ。

火神君は青峰タイプだ。本当によく似てる。



だから、その分、怖い。




黒「Aさんは凄いですよ。

誰よりもキセキの世代のプレーを見てきて、誰よりも彼らを支え、彼らはAさんを1番頼りにしてましたし、一緒に練習したりしてましたから。」

青峰とは本当に沢山やったなぁ･･･


火「A、そんなにすげぇのか･･･。」




その日はもう遅い時間だったので、この場はお開きになった。








火「なぁ、お前とAって付き合ってんの？」
黒「はい？」
火「いや、なんかそんな気がして」
黒「･･･付き合ってませんよ。まだ･･･」
火「は？まだ･･･？」


2人がそんな会話をしていたなんて、私が知る由もなかった。

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