彼女 と 帰路〜1 ページ6
朝食抜きでが歩くことになった我々。
Aは見事、歩いて数分でぶっ倒れました。
『も”ぅ……私はダメだぁ”……』
「彼奴はもうダメだ見捨てよう」
「あ、じゃあなA」
「ばいばーい」
『待って、ちょっと待って!!ヘルプ!ヘルプミー!!』
彼らはふざけ半分で言っているが彼女にそれは伝わっていない。
まじでおいていかれる雰囲気を感じたAは叫んだ。
催眠術もどきで眠った君たちと違ってこっちは徹夜でしかも訪問者に威圧喰らわしてるんだよ!体力が回復してないんだよ!
っていう事実は言わないが。
……もう叫ぶしかない。(結論)
思いよ届け。
『ヘルプー!本気で足が動かないから!!ねぇ、昨日の優しさを!いくらツンデレの黄金比が9:1でもそりゃないから!!』
「はぁ……しょーがないなー」
思いよ届いた!
足を止めたのはひとらんらん。
呆れたように微笑してAの方に歩いてきてくれる。
見よ、これが我々だ一温情がある人認定の瞬間である。
かがんでその広い背中を向けるひとらんらんに、Aは感謝をのべて体重をかけた。
『ごめんね、ありがとうらんらん』
「ううん、大丈夫。無理しないでね?」
微笑を浮かべた彼に、こんな孫が欲しいとAは思ってしまった。
でも、君の仲間に事案扱いされて消されそうで怖いわ。と踏みとどまる。命が惜しい……。
実際問題彼女が要介護になってしまった場合、大和軍メンツがわりと本気で世話を焼くので心配はないということは彼女には伝えないでおこう。
ｻﾞｸｻﾞｸと他の奴の視線が突き刺さるなか(らんらん人気やね)、彼女はｽﾞﾙﾘと目を細めた。
その不気味な変化を一早く感じとったコネシマがあけっぴろんに告げる。それでも些か静かな口調だった。
「どうしたん」
Aはしばらく先を見据えた後、呟く。
心底嫌いなモノを見たように。
『嫌な予感がする』
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作者名：べっこう飴エ | 作成日時：2017年9月3日 18時
