彼女 と 義妹〜2 ページ19
『あｯぶない!!』
私はユリを抱えてバッグ転した。
前を見れば先程まで立っていた床が歯形に抜けている。辺りに落ちた花があったが、気付けなかったら今頃ユリもあの花と同じように散っていたのだろう。
そう思うと笑えなかった。
「え…あ…Aさ」
そんなに怯えなくても大丈夫。私がいる。
「ちが…なんで」
おっと。その先は言わせません。
『好きな奴を助けるのの何が悪い』
前を睨んだままに私は告げた。
そんな(格好いい)私を直視できなかったのか、ユリは肩に顔を埋め、その部分を濡らした。
よしよし、なけなけ。
これくらい、許してやるから。
私はインカムのスイッチを入れる。
『【必要悪】より報告!【白百合】の病室にて襲撃を確認。敵は不可視であり、術を使うと推測。私及びユリは無事であるが、警戒にあたれ。【必要悪】より報告』
「ｯこちら【トントン】。お前らほんまに怪我しとらん!?って無事ってことは大丈夫か!!」
「こちら【コネシマ】。何!?襲撃とか警備班からはなんも聞いてないで!!」
「ｯこちら警備班【ひとらんらん】。なに、カメラにはなんも写ってないよ!?」
声の感じからしてトントン、コネシマ、ひとらんらんに連絡が行ったぽい。
らんらんに限っては仕事中かぁ。ユリが倒れたと聞いたのに皆冷静だなぁ……。
「こちら【オスマン】。なぁに馬鹿なこと言っとんの。A」
マンちゃんにまで連絡は回ったらしい。おお、普段は切られてる(まぁ不良品な)インカムが繋がる繋がる!頼もしい限りですわ。
て、それどころじゃねぇんだよ。
『けっこーマジでヤバめだ。私が外庭まで出るから、近接メイン、そっち回って。後ユリの護衛も欲しい』
「「「了解」」」
きっちり声はそろって切れた。さすが大和軍チームワークはいい(一部を除く)。あいつらは十秒もあれば着くでしょ。
じゃ、体育祭だ。
種目。100m走。
「ｯ、100mじゃムリですよ!」
なぁに言っとるのさユリ。
「え」
ここになくなった壁があるじゃろ。
「あの、ここ五階で」
あぃきゃんふらぁーい!!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べっこう飴エ | 作成日時：2017年9月3日 18時
